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森栄喜写真集「intimacy」

前作『tokyo boy alone』から約2年ぶりの写真集となる写真家森 栄喜の写真集「intimacy」が発売された。

何気ない日常を切り取る、この絶対の孤独と、この狂気はなんだ……
山本耀司(ファッションデザイナー)帯文より

森栄喜の写真たちに潜在し変容する「退屈さ」の充実した時間を、これまで誰が、
これほどの率直さと洗練において写真に撮りえただろうか。ここには、かけがえのないまばゆい生の一瞬が息づいている。
新城郁夫(琉球大学教授)巻末論考より

前作『tokyo boy alone』では、被写体である青年たちの部屋に森が赴き、その空間において写真を撮るという手法を取りながら、都市における青年たちの肖像に光を当ててきた。しかし、森が「被写体に自己を投影したセルフポートレイト」と言うように、意識的な取り組みとして、被写体と写真家との関係性を語ることはなかった。

今回刊行された写真集『intimacy』(ナナロク社)では、自身の恋人や友人との1年間の記録として、時に、森自身も被写体として登場しながら、そのタイトルの示す通り、「親密な」関係性が描かれている。すべて35ミリのスナップショットを通して構成された本作では、日常の機微を、そして彼らと過ごす時間の親密性を丁寧に描きながらも、そこに発現する自身の感情をも焼き付けたいという森自身の欲望が、荒々しくも写真の中に現れている。

それらの写真を撮り続けるという行為は、日常の中に潜みながらもこぼれ落ちていく瞬間の軌跡を記す行為であり、誰かを想い、求める感情の集積でもあり、本作『intimacy』は写真集という名の「日記」的作品であり、森にとって挑戦となる作品となっている。

書名:intimacy、著者:森栄喜、デザイン:森大志郎、発行:ナナロク社、発売日:12月14日、仕様:A4変型(188×195mm)、上製、264ページ、定価:3,800円+税
http://www.nanarokusha.com
http://www.eikimori.com/

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