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大和田 良 「Banknotes」

H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHIでは2月7日より、注目の若手写真家、大和田良の個展「Banknotes」を開催する。
1978年生まれの大和田はデジタル技術を活かした写真作品を精力的に発表し、スイスのエリゼ美術館が主催する「reGeneration 50 photographers of tomorrow」に選出。2011年には日本写真協会新人賞を受賞するなど、今後の活躍が期待される写真家。
「価値」とは、とても流動的な言葉であり場所により、時代により、人により、様々な価値観が存在している。自分にとっては価値があるものでも、他人にとっては無価値だったり、それどころか、ある社会では「善」とされるものが他の社会では「悪」となる場合さえある。
大和田良は外国の古い紙幣との出会いをきっかけに、世界中の旧紙幣を高解像度で透過撮影したシリーズ「Banknotes」を作成した。紙幣は、記載されている情報や図の面白さに加え、かねてから追求していた「写真が持つ記録性」を表現するのにぴったりの被写体だったことが語られている。しかし、モノとしての紙幣や写真の記録性もさることながら、被写体の持つ「ほぼ絶対的な価値」という紙幣の特性がこのシリーズの重要な要素となっている。

Artist ’s Statement
”ある骨董店でガーナの紙幣を見つけたのがこのシリーズのはじまりだった。
遠い外国の古い紙幣は、観察してみると完成度の高いグラフィックを感じさせた。
表と裏とを見た後、透かしを確認しようと光にかざす。
そこには透かしだけでなく、様々な線が折り重なった複雑で新たな図像が浮かび上がった。
僕はその日手に入れたいくつかの紙幣をより細部まで観察するために高解像度のカメラを用いて撮影した。そこには肉眼で確認することが難しい緻密な線が詰められていた。全体と細部とを交互に見るうち、そこには様々な風景が浮かび上がるようになった。それぞれの国の文化や歴史、風土、人、それらが紙幣というひとつの印刷技術の極みに集約されている。
限りなく細く、小さな点と線で描かれたグラフィックを眺めることには飽きることがない。それと同時にそこに描かれた図像からはその国ごとの違いを感じ取ることができる。
情熱、希望、訓戒、歴史、風土といったそれぞれの表す情報。幾何学的な文様。紙の質感。文字の機能性。それらが一体となった一枚の紙幣に光を透かし、観察する。
被写体としての紙幣は、写真の持つ記録性を十分に発揮するものだった。その記録が続く中でまとめられたのがこの「Banknotes」シリーズである。”

会期:2014年2月7日(金)~3月6日(木)
会場:H.P. FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHI(丸ビル1F)
オープニングレセプション:2014年2月12日(水) 19:00-21:00
協力:株式会社モデルノ

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