GALLERY SPEAK FORでは3月14日よりアーティスト/イラストレーター、菅野麻衣子氏による個展「むすんでひらいて」を開催する。
顔のパーツ構成や身体のバランスなど、菅野氏の描く少女画にはユニークなトーンがありつつも、どれひとつとして同じ顔はない。しかも、彼女の王国の住人=少女たちの思わせぶりな表情には、ハレの面だけではない奇妙な影が差込んでいる。シュールで、時にコミカルな可笑しさもあるシチュエーションは、長大な劇から切り取られた一場面のよう。前後にあり得るストーリーを余韻豊かに感じさせ、かすかなペシミズムが見る者の心と溶け合う。少女たちの視線はたいてい宙を漂ったままきらめいているが、その美は私たちに見えていない真理や神秘を見てしまった畏れに由来するのかも知れない。
アクリル絵具によるオーソドックスな塗りを基調としながら、菅野氏は独自の垂らし込み技法も取り入れて表現の幅を広げており、リズミカルな抑揚のある構図の妙、色彩バランスの巧みな設計もコレクター層から高評価を獲得している。仙台を拠点にして国内外で活発に作品発表を続け、全国各地に支持の輪を広げている。
本展は、彼女にとって1年ぶりとなる東京での個展。三つ編みにした少女たち、手をつないで進む少女たちのシーンなど、「結び」にちなんだ新作群からタイトルが付けられた。「そうした結び目にこそ、女の子たちの覚悟や想いが詰まっている」と彼女は考え、想いを紡ぐ様子やそこからの解放を表現した新作を主軸に構成される。また、最近取り組み始めたヌードシリーズも初めて数点披露される予定。サムホールサイズからF30号までの大小約40点のアクリル画を展示・販売する。また、新作Tシャツやオリジナルトランプなどの関連アイテムも紹介・販売する。
菅野麻衣子 むすんでひらいて
会期 : 2014 年3 月14 日(金)~ 3 月26 日(水)
開館時間 : 11:00 ~19:00 最終日のみ ~ 18:00 木曜休廊
ギャラリートーク : 2014 年3 月14 日(金)18:30 ~ 19:00
作品解説=菅野麻衣子 聞き手=竹森マサユキ(カラーボトル)
菅野麻衣子 アーティスト / イラストレーター
1983年宮城県生まれ。宮城県宮城野高校美術科を卒業後、仙台を拠点に創作を開始。2003年、せんだいアートアニュアル
2003にて「明和電機賞」を受賞し注目を集める。2006年、東北生活文化大学生活美術学科を修了。以後、精力的に展示活動
を行いながら、GEISAI#11(2008年)、アジア女性美術交流展(韓国・2007年)や、International Art Fair(ロンドン・2010年と
2011年)にも出品。最近の個展に、「ゆれたスカートの記憶」(2012年、GALLERY SPEAK FOR)、「きみまかせの道」(2013年、
仙台・CROSS ROAD)がある。雑誌や広告も手がけるなど幅広く活動中。
http://maikokanno.jp/
GALLERY SPEAK FOR
150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-2SPEAK FOR B1F
T. 03-5459-6385 F. 03-5459-6386
開廊時間:11 AM – 7PM 最終日のみ6 PMまで
休廊:毎週木曜日・年末年始
http://www.galleryspeakfor.com/