本をめぐる音楽と絵のライブセッションシリーズ『本をめくると音楽が聴こえてきた』。5/18のvol.3は幸田文「台所のおと」をテーマに、アキツユコ×前田ひさえ、6/21のvol.4は古川日出男「ドッグマザー」をテーマに、古川日出男×黒田潔×トウヤマタケオがセッションを行う。
文字がなかった時代、人は歌ったり踊ったり壁画を描いて、コミュニケーションをとってきた。より他者と通じ合いたいという思いが、やがて保存可能で、さまざまな意味が凝縮された文字を生み出した。
だから文字には、歌の音楽性や踊りの身体性や壁画の色彩性などが凝縮されている。
作家が本に焼きつけた文章には、蠢くような生命力が満ちている。それが束になった本は、楽譜のようなものかもしれない。
『本をめくると音楽が聴こえてきた』は、本に凝縮された音楽や色彩や感情を、音楽家と画家が奏で、本に再び生命を吹き込む。
vol.3: 幸田文「台所のおと」アキツユコ(音楽)×前田ひさえ(絵)
“あれは、あき、おまえの音だ。女はそれぞれ音をもってるけど、いいか、角だつな。さわやかでおとなしいのがおまえの音だ。その音であきの台所は、先ず出来たというもんだ”(「台所のおと」幸田文)
音に絡み合う女と男の心模様。一つ一つの言葉の選び方、重ね方によって、生まれるリズム、紡がれる物語。幸田文「台所のおと」の文章に満ち満ちた五感を鋭く研ぎ澄ませた感性を、音楽家アキツユコとイラストレーター前田ひさえのセッションによって、新たなイメージとして立ち上げる。
お土産として、和菓子ユニット・日菓によるお干菓子「台所のおと」も用意。
日時:2014年5月18日(日)
開場:14時 開始:14時30分 終了:16時
会場:恵文社一乗寺店コテージ(京都市左京区一乗寺払殿町10 恵文社一乗寺店 南側)
参加費:2800円(日菓のお干菓子「台所のおと」付き)
vol.4:古川日出男「ドッグマザー」古川日出男×黒田潔×トウヤマタケオ
『ドッグマザー』は、青年が老犬博文を連れて京都へいき、謎の教団に出会い、京都で聖家族をつくろうとする、全三部からなる長編小説。
第三部「二度めの夏に至る」のみ、東日本大震災後に書かれ、震災後の世界が、京都と東京の視点から描かれている。
「二度めの夏に至る」は、当初、「夏に至る」というタイトルだった。しかし、震災があったことで、古川日出男さんは物語の時間的なスケールを一年分増やした。春から夏への物語に、震災が起きてしまった春を、足す。
春から翌年の春、さらに翌年の夏への物語。
「二度めの夏に至る」は、夏至の京都で行われる教団の夏至祭に至る。
2014年の夏至は、このイベントを開催する6月21日です。そして舞台となる恵文社一乗寺店があるのは、京都。
夏至の京都で、古川日出男さん自身の朗読、『ドッグマザー』の装画をてがけられたイラストレーター/アートディレクターの黒田潔さんの絵、そして作曲家・トウヤマタケオさんの音楽によって、『ドッグマザー』第三部「二度めの夏に至る」が、ふたたび世に解き放たれる現場に、立ち会ってみてはいかがだろうか。
日時:2014年6月21日(土)
開場:19時 開始:1時30分 終了:21時
会場:恵文社一乗寺店コテージ(京都市左京区一乗寺払殿町10 恵文社一乗寺店 南側)
参加費:3500円
【お申し込み・お問い合わせ】
ignition.gallery@gmail.com
ご予約は、件名を「本をめくると音楽が聴こえてきた・回数(例:vol.3、vol.4)」として、お名前(ふりがな)・ご連絡先・ご予約人数をご明記の上、メールをお送りください。
【企画】
熊谷充紘(ignition gallery)
【詳細】
ignition gallery website http://ignitiongallery.tumblr.com/post/64688698330
【参考映像】
https://www.youtube.com/watch?v=ZWAs9YIGw64&feature=youtu.be