6月14日公開のドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』と7月12日公開のホドロフスキー監督新作『リアリティのダンス』、そしてホドロフスキーが原作を担当したバンドデシネの刊行など、まさにホドロフスキー・イヤーの今年、さらにホドロフスキー夫妻によるドローイング共作展の開催が決定した。
85歳になる現在も映画監督、コミック作家、タロット占い師、詩人、演出家、パフォーマーとして、驚異的な創作を続けるアレハンドロ・ホドロフスキー。彼の広い表現活動の中で、もっとも知られていないのが画家としての側面である。
彼は1967年から1973年まで、プロの漫画家としてメキシコの新聞「EL Heraldo」紙の週末増刊号に連載を持っていたほど絵の才能にも恵まれていたが、画家として作品を発表したことはなかった。
ある日、美術作家でもある妻パスカルが彼の古いデッサンを見て、「もっと描いたらよいのに」と勧めたことから、新しいドローイングのスタイルが生まれ、1999年以降ロンドンやパリで彼らの個展が開かれるようになった。
今回の『二人のホドロフスキー 愛の結晶』展は、夫妻による共作シリーズのうち、2012年11月にパリ市現代美術館で発表された作品が中心で、日本で彼らのドローイングが見られるのは初めてとなる。
妻パスカルは、夫アレハンドロの23年ぶりの新作映画『リアリティのダンス』(7月12日公開)で衣装デザインを手がけており、今回の共作ドローイング展も含め「子どものいない私たちにとって、2人で創り上げた作品こそが自分たちの子どもである」と夫妻は語っている。
作品はマルチプルで限定エディション、すべてに2人の直筆のサインがついている。「あまりに大切なので、高い値段をつけて売れないようにしている」とホドロフスキーは笑うが、店主アツコ・バルーがパリで彼らに交渉して、オリジナルではなく高品質プリントにすることにより、ファンにとって求めやすい価格帯での展示と販売が実現した。
アレハンドロ・ホドロフスキー
Alejandro Jodorowsky
チリ生まれ、パリ在住。『エル・トポ』(1970年)、『ホーリー・マウンテン』(1973年)、『サンタ・サングレ/聖なる血』(1989年)で世界を熱狂させた伝説的映画監督。息子の死を乗り越えて監督した、23年ぶりの新作『リアリティのダンス』(7月12日より全国ロードショー)は、自身の少年時代と家族の絆の再生を描いた魂を癒す物語である。
パスカル・モンタンドン・ホドロフスキー
Pascale Montandon Jodorowsky
美術作家。デザイナー。グラフィックアートと空間デザインを手がける。動的世界と静かな世界、時空を移動する感受性を大切にしている。主な仕事はキャロリン・カールソンの舞台美術とフランス企業エメリスのレセプションの空間デザイン。『リアリティのダンス』では衣装デザインを担当。
(c)Alejandro Jodorwsky, Pascale Montandon Jodorwsky
『二人のホドロフスキー:愛の結晶』展
アレハンドロ・ホドロフスキー&パスカル・モンタンドン・ホドロフスキー夫妻による共作ドローイング展
会期:2014年7月17日(木)~9月21日(日)
水~土曜 14:00-21:00/日~月曜 11:00-18:00/火曜休
※8月12日(火)~19(火)は夏季休業
会場:アツコバルー arts drinks talk
東京都渋谷区松濤1-29-1 5F TEL.03-6427-8048
http://l-amusee.com/atsukobarouh/
料金:500円(1ドリンク付)