GALLERY SPEAK FORではアーティスト、佐藤文香氏による個展「乳白色の夜明け」を開催する。
麻のキャンバスにアクリル絵具とゲルインクのペンで描画、さらに刺繍などを施して一枚の絵を創り上げるのが、佐藤文香氏の手法。絵具やインクだけでなく、刺繍糸やビーズ、スパンコール素材など、異質なテクスチュア同士を柔軟に融合させながら用いることで、それぞれの印象を引き立て合い、幻想的な美を織りなしている。半立体的でレリーフのようにも見えるその画面で描かれるのはおもに、植物や星など、人の手によらない造形美。深い思索に満ちた硬質なメルへンの世界観は、緻密で多層的な表現と相性がよく、ミクロとマクロを双方に照らし合わせつつ、見る側の空想力を順風でフォローする優しい視点が感じられる。
現代アートらしい自由な着想と、牧歌的なイラストレーションの側面を合わせ持ち、工芸品としても美しい佇まいの彼女の原画は近年、各地の企画展などで注目を集めつつ、固定ファンを増やしてきた。
本展は、彼女にとって1 年半ぶりとなる東京での個展。「夜と朝、今までとこれから、その境界をつなぐように縫い重ねる」という彼女の心境がタイトルに引かれており、手法やジャンルのボーダーの可変性を絵で形にし続けてきた彼女の本質を、あらためて指し示す展示内容となる。新作を中心に自薦のキャンバス作品、大小合わせて約30 点を展示・販売。また、ブックカバーやiPhoneケースなどの雑貨類なども合わせて販売する。
佐藤文香 乳白色の夜明け
会期 : 2014 年7 月4 日(金)~ 16 日(水)
会場:GALLERY SPEAK FOR
150-0033 東京都渋谷区猿楽町28-2 SPEAK FOR B1F
開廊時間:11 AM-7PM 最終日のみ6PMまで
休廊:毎週木曜日・年末年始
http://www.galleryspeakfor.com /
開館時間 : 11:00 ~19:00 最終日のみ ~ 18:00 木曜休廊
ギャラリートーク : 2014 年7 月4 日(金)18:30 ~ 19:00
作品解説=佐藤文香 聞き手=佐藤文香(さとうあやか)(俳人)
佐藤文香(さとうふみか) アーティスト
1983年、名古屋市生まれ。神戸学院大学卒業後、本格的に創作活動を始めた。2009年より、名古屋のギャラリーイントラートを拠点に毎年、個展を開催して新作をリリースし続ける一方、東京や名古屋、神戸など各地のグループ展、コラボレーション展やアートマルシェなどに選定され、参加している。近年の個展に「purpure」(2012年、GALLERY SPEAKFOR)、「about all」(2013年、ギャラリーイントラート)、「月と歩く」(2014年、松坂屋名古屋店美術画廊)がある。
http://fumikasato.bake-neko.net/