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「インターネット時代の風景論」全5 回講座 開催

19 世紀末、リュミエール兄弟がシネマトグラフを発表し、映像の世紀が幕を開けたように、20 世紀末、PC の普及とともに、インターネットの時代が幕をあけた。それから現在にいたるまで、インターネットは確実に人々の生活に深く浸透し、「画面」は日常の多くの時間、我々の視覚を支配するようになった。もはや、それは生活と切り離すことのできない風景の一部と言える。
人々がここ20 年の間に手にしたその新しいメディア環境は、我々の生活に多くの恩恵を与えてきた事は間違いない。だがその一方でその環境は、私たちの身体感覚や概念といった目に見えない何かに大きな変化を与えているのかもしれない。
ヴァルター・ベンヤミンは『複製技術時代の芸術』の中で、複製技術によるアウラの消滅を唱えたが、インターネットの時代においては、何が消滅し、そして何が生成されるのだろうか?
またそういった現代の変化の中で、イメージそれ自体は、写真は、映像は、表現は、アートは、どのような役割を担って行くのだろうか?そうした果てのない議論に向けて、5回にわたる連続トークセッションが行われる。
 
 
ゲスト:新津保建秀(写真家)、Nerhol(アートユニット)、ホンマタカシ(写真家)、横田大輔(写真家)、exonemo(アー
トユニット)、江渡浩一郎(独立行政法人産業技術総合研究所主任研究員/ニコニコ学会β 実行委員長/メディアアーティ
スト)、田中良治(ウェブデザイナー)、谷口暁彦(アーティスト)、田村友一郎(アーティスト)、ドミニク・チェン(株式会社ディヴィデュアル共同創業者取締役/NPO コモンスフィア理事)、畠中実(NTT インターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、星野太(美学/表象文化論)
  
  
■第1 回:11 月19 日(水)20:00~22:00
「デスクトップの風景論」
ゲスト:新津保建秀(写真家)、田中良治(ウェブデザイナー)
写真集『\風景』でデスクトップに現れるイメージを新しい風景として提示した新津保健秀と、ウェブデザイナーとして活躍する傍ら、自身のアートワークや展覧会のキュレーションなどを通して、新しいメディア環境に対しての問いを発信する田中良治。その二人が見つめる「今」の風景についてのトークセッション。
■第2回:11 月26 日(水)20:00~22:00
「デジタル時代の身体性」
ゲスト:Nerhol(アートユニット)、星野太(美学/表象文化論)、横田大輔(写真家)
※Nerhol は田中義久氏が出演予定
アナログとデジタル、その両方の技法を取り込み、独自のイメージ世界を構築する横田大輔。連続して撮影した大量の画像を一枚ずつ丁寧に切断と積層を重ね、イメージと時間を写真彫刻に込めるNerhol。国際的な写真シーンからも注目される若手アーティスト2 組と美学/表象文化論の星野太を交えて、デジタル時代の身体感覚と表現について考察する。
■第3 回:12 月3 日(水)20:00~22:00
「インターネット・リアリティその後」
ゲスト:exonemo(アートユニット)、谷口暁彦(アーティスト)、畠中実(NTT インターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)
※exonemo は千房けん輔氏が出演予定
インターネットが当たり前となった新しい日常の中で、私たちのリアリティも変容しているのではないだろうか?という問題意識とともに、2011 年に発足した「インターネット・リアリティ研究会」。NTT インターコミュニケーション・センター[ICC]で発表されてきた議題をもとに、今一度、インターネット時代におけるリアリティついての議論を深める。
■第4 回:12 月9 日(火)20:00~22:00
「インターネット時代における写真と画像について」
ゲスト:田村友一郎(アーティスト)、ホンマタカシ(写真家)
インターネット、それを膨大なイメージのアーカイブと捉える事ができる。そしてそこから抽出されるイメージは、与えられるコンテクストによって、撮影者の手を離れ意味が変容していく。「写真」というメディアへの考察を重ねて来た写真家ホンマタカシとGoogle ストリートビューのイメージで構成されたロードムービー《NIGHTLESS》を制作した田村友一郎を招き、そうした状況におけるイメージとは?写真とは?という問いについて考察する。
■第5 回:12 月17 日(水)20:00~22:00
「複製技術時代のコミュニティ」
ゲスト:江渡浩一郎
(独立行政法人産業技術総合研究所主任研究員/ニコニコ学会β 実行委員長/メディアアーティスト)、ドミニク・チェン(株式会社ディヴィデュアル共同創業者取締役/NPO コモンスフィア理事)
ユーザー参加型研究のプラットフォーム、ニコニコ学会β を発足した江渡浩一郎。インターネット時代の新しいライセンスを提唱するクリエイティブ・コモンズ・ジャパン(現コモンスフィア)のドミニク・チェン。いずれもメディアアーティストとしてのキャリアを持ちながら、実社会を表現の場として、自身のアイデアを実装し、ユーザーを中心とした新しい社会システムを牽引している。そうした2人の見えている世界から、今のメディア環境とこれからを展望する。
【モデレーター】
山峰潤也東京都写真美術館学芸員/キュレイター
2006 年から2008 年まで文化庁メディア芸術祭事務局。2008 年から東京都写真美術館学芸員。同年から「恵比寿映像祭」にキュレイターとして参画。主な展覧会に「3D ヴィジョンズ」、「見えない世界のみつめ方」(東京都写真美術館)。その他、フリーペーパーの編集やInternational Festival forComputer Art(スロベニア)、Waterpieces(ラトビア)などで上映、ライブ、展示などの企画。現在、明治学院大学非常勤講師。

【開催概要】
タイトル:「インターネット時代の風景論」
開催日時:11 月19 日(水)、11 月26 日(水)、12 月3 日(水)、12 月9 日(火)、12 月17 日(水)
開催場所:IMA CONCEPT STORE
住所:〒106-0032
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3F
参加料金:
各回受講の方
<一般>¥2,200(税込)<雑誌『IMA』定期購読会員>¥2,000(税込)
全編受講の方
<一般>¥9,900(税込)<雑誌『IMA』定期購読会員>¥9,000(税込)
*各回IMA CAFE「OBSCURA COFFEE ROASTERS」コーヒー1杯つき
定員:80名
申し込み:http://imaonline.jp/ud/event/543de3d7b31ac90a82000002
【イベントに関するお問い合わせ】
IMA CONCEPT STORE 03-5572-7144(11:00-22:00不定休)info@imaconceptstore.jp

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