ライフスタイルとは、おしゃれで誰もが憧れるファッションを取り巻く環境とは異なり、その時々の感情や出来事が大きく反映されるものである
これが、ユナイテッド カラーズ オブ ベネトンの新しいコンセプト「Clothes for Humans」の背景にあるメッセージ。「Clothes for Humans」は、2016秋冬で3つにカテゴライズされたプロダクトラインやグローバルキャンペーン、ウェブサイトに共通するキーワードとなり、世界中のベネトンストアで配布予定のマガジンとカタログを融合させた「Magalog(マガログ)」の冒頭でも触れられている。
人々の生活のなかで、洋服は重要な役割を担っている。毎朝、今日着る洋服を選ぶとき、これから始まる1日を想像し、スケジュールや自分の感情に合うものをセレクトする。
「Clothes for Humans」のコンセプトはここからスタートした。ベネトンの洋服は、着る人にとって心地よいもの、そして様々なオケージョンに対応できるような存在でなくてはならない。
仕事や特別な機会のためのスマートエレガンスを提供する「Dress UP(ドレスアップ)」。カジュアルなスタイルでよりリラックスできる「Dress Down(ドレスダウン)」。スポーツに適した機能的なアイテムが揃う「Dress to move(ドレス トゥ ムーブ)」。
これらのテーマは、今後のあらゆるコレクションと同様、ニットウェアを中心に据えている。この3つのテーマを反映した形で、この「Clothes for Humans」のコンセプトが展開され、人間のライフスタイルシーンに寄り添う形でベネトンの洋服をあらゆるチャンネルを通して伝えていく。
今回のコンセプトに沿ったクリエイティブでは、多様性に富み、リアリティーを感じさせるライフスタイルシーンが登場する。たとえば、冷蔵庫の扉をあけたまま食べ物をつまんでいる女性や、カジュアルなパーティーでワインを飲んでいる女子グループ、お互いの髪をカットし合う2人の姉妹など。ベネトンのグローバルな顧客層のように、世界中どこにでも存在しそうな家を撮影で使用し、温かみがあり現代的などこにでもありふれた光景を表現した。実際、このキャンペーンは、オフライン・オンラインを問わず世界中で発信され、動画においてもまるで一連のシリーズもののようなエピソードとして展開されている。
ベネトンの店舗では、今回の新コンセプトをメインに据えながらも、今までベネトンというブランドが築き上げてきたイメージを盛り込んだ「Clothes for Humans」というマガログも手に入れることができる。この冊子では、ただ単に個々のアイテムを紹介するのではなく、ファッションが文化、仕事、環境をはじめとした、現代社会に強い影響力を持つ話題を広げる1つのきっかけとなる内容も含まれている。これはこのブランドの代名詞とも言えるアプローチとも言える。ベネトンが人々を取り巻く世界を紐解くときはいつも、人々の好奇心を掻き立て、自分自身を見つめてもらうように促している。
「人々――ある人々は幸せで、ある人々は悲しんでいる。ある人々は両方の気持ちを抱えている。私たちは、それらすべての人々のために服を作る」というマニフェストは、「Clothes for Humans」フィロソフィーを要約している。人々の気持ちを大切にするということは、おそらく他のどのブランドよりも人々と (個人の差にかかわらず、あらゆる人々と) 一緒に歩み続けてきたベネトンにとって、自然でありながらも重要な次の一歩となる。