ボッテガ・ヴェネタが継続的に実施しているプロジェクト、”アート・オブ・コラボレーション”、2017年春夏シーズンの広告キャンペーンのコラボレーションは、米国人フォトグラファーのトッド・ハイドを起用した。
キャンペーンの撮影は、伝説的建築家のポール・ルドルフが手掛けたニューヨーク市のモデュライター・ビルで行われた。
“光のビル”としても知られているの建築は横長、縦長のスペースを積み上げた構造にファサードの大きな窓と小さな窓の組み合わせが象徴的で、比較的狭いスペースでありながらも他にはない意外性に満ちた風通しの良さ、奥行き、サイズ感を生み出している。
モダンアートやモダニズム建築に対するクリエイティブ・ディレクターのトーマス・マイヤーの深い情熱、そしてボッテガ・ヴェネタの真摯な姿勢にともない、この建物が撮影場所に選ばれた。
2017年春夏シーズンは、ボッテガ・ヴェネタの創立50周年、またトーマス・マイヤーのクリエイティブ・ディレクター就任15周年を記念したコレクション。この機会に合わせ、新しいスタイルのバッグとアーカイブから見つけたバッグを組み合わせた特別なコレクションに加え、女優のローレン・ハットンが1980年代の映画「アメリカン・ジゴロ」で使ったブランドを代表するイントレチャートのクラッチバッグを披露した。
ミラノのブレラ国立美術学院で発表した特別なファッションショーでは、ハットンがそのバッグを再び手にしてランウェイに登場した。
今回の広告キャンペーンはローレン・ハットンがモデルとなり、伝説的とも言えるさりげなさ、タイムレスな魅力をとらえたほか、ジョアン・スモールズ、ヴィットリア・セレッティ、ハンス・ゴベイン、モルテン・ニールセンらもモデルとして起用され、トーマス・マイヤーが2017年春夏コレクションのショーで発表した象徴的な美の概念を改めて表現している。ライトカラーのシンプルな極薄の素材が生み出す、長くなめらかなシルエットがモデルたちの身体を心地よく包み込む一方、マルチカラーや鮮やかな色合いをしたレザーウェアが、モダニズム建築の建物と並んでコントラストを演出している。
トッド・ハイドはアメリカ郊外の家々を撮影しつつ、さらにハイドの特徴である光の感じ方、とらえ方を通じて豊かな表現を生み出すというスタイルを特に好んでいる。その作品は示唆に富んだものが多く、また自然光を使って深くにじんだような色合いやほんのりと光を放つような表現を特別に生み出している。最近の作品では被写体として家の中に人物を加え、緊張感や親密さを感じさせるストーリーを展開している。
ハイドの非凡で洗練された美意識がボッテガ・ヴェネタの本質と融合し、今回のキャンペーン作品が生まれた。
トーマス・マイヤーは「私はハイドの作品の熱心なファンの一人です。彼の作品は静かに語りかけてきますが、さりげない形で驚くほど示唆的なものを表現しています。また、光や色の使い方によって生み出すムードが独特です。私たちも同じようなアプローチや感性を持っておりハイドの繊細さ、直感的な洞察を気に入っています」と語っている。
アート・オブ・コラボレーションは、トーマス・マイヤーがクリエイティブ・ディレクターとして2001年にボッテガ・ヴェネタに加わってから自ら企画したプロジェクトで、世界的に有名なビジュアルアーティストとのコラボレーションにより、毎シーズンの広告キャンペーンを作り続けてきた。ヴィヴィアン・サッセンや荒木経惟、ナン・ゴールディン、フィリップ・ロルカ・ディ・コルシア、ピーター・ヒューゴ、ピーター・リンドバーグ、ユルゲン・テラーなど、これまでに数多くの著名なフォトグラファーがボッテガ・ヴェネタの広告作品を手掛けており、トッド・ハイドもその仲間に加わっている。