グラフィックデザインとタイポグラフィの専門誌『アイデア』390号で同誌初のファッション特集となる「writtenafterwards:装 綴(そうてい) ファッションデザインの生態学」が掲載される。
ファッションデザイナーの多くは、ひとつのコレクションを制作していく上で膨大なリサーチを行い、そこで得た断片的な思考を「ムードボード」という平面空間のなかに整理していく。 本特集では、そうしたファッションデザイナーたちの創作のプロセスを可視化するために、ファッションブランド「writtenafterwards (リトゥンアフターワーズ)」のデザイナー・山縣良和による創造の過程と山縣の個人史にまつわる物や記憶を、社会的な事象とも結び合わせながら紹介していく。 神話から始まり、古代、中世・近世、近代を経て、現代まで至る誌面を眺めていくと、中には狭義のファッション観では捉えられないものも出てくるかもしれない。しかし、東西の文化を横断し、山縣の 創作を通してファッションの歴史を綴った本特集からは、人類と併走してきた装いの変遷と、その生態系を感じることができるはず。そして、その変遷を辿ることにより、ファッションデザインとグラ フィックデザインの思考の上での共通点・相違点を探っていき、両者のあらたな可能性を検証する。
書 名:『アイデア』390号
企画・構成:山縣良和 +writtenafterwards、磯山進伍、 須山悠里、アイデア編集部
デザイン:須山悠里
撮影:田附勝
仕 様:A4判変形、218ページ
定 価:2,829円+税 配本日:2020年6月10日(水)
【著者略歴】
山縣良和(やまがた・よしかず) 1980年鳥取県生まれ。2005年セントラル・セント・マー チンズ大学を卒業。在学中にジョン・ガリアーノのデ ザインアシスタントを務める。2007年に writtenafterwardsを設立。2008年より東京コレクショ ンに参加。2014年に毎日ファッション大賞特別賞を受 賞。2015年には日本人として初めて「LVMH Prize」の セミファイナリストにも選出された。またファッショ ン表現の研究、学びの場として、2008年より「ここの がっこう」を主宰。「GAKU」のディレクター。