Fashion Show

Marc Jacobs

30ー40年代南仏の優雅で自由なライフスタイルと、ジャマイカへ旅するパンクロックミュージシャン。2つのストーリーが交錯した今回のコレクションは、レトロなサマー・エレガンスを現代的に再解釈し、南国を感じさせるポップさを合わせてつくるリラックスしたリゾートスタイル。

ロストジェネレーションを代表する作家、F・スコット・フィッツジェラルドの長編小説『夜はやさし』の舞台である南仏の優雅な魅力を、クラシカルなスモーキングジャケットや明るいトーンのストライプスーツで表現。また物語で描かれる人間のダークで荒廃した内面は、ピンストライプスーツにトレンチコート、サングラス、ダービーハットを合わせた当時のマフィアスタイルを通してコレクションに反映されている。

更に1978年にジャマイカに渡ったとされるセックス・ピストルズのジョン・ライドンをイメージし、鮮やかなカラーにパパイヤやサボテンのプリント、洗いをかけたコットン素材、また開襟シャツやロングボードショーツなどカジュアルなアイテムで、よりリラックスした夏のムードが演出されている。

アクセサリー類も充実し、特にシューズはレーザーカットで水玉模様が施されたレースアップやPVCパネルのモンクストラップなどポップなアイテムが揃う。

そして随所に見受けられるストリートからのレファレンス。今期もブルックリンを拠点に活動するアーティストBAST(バスト)とコラボレーションし、ミラーイメージ、サボテン、ビッグアップル、気まぐれピクルスなどのグラフィックプリントを展開。また現在NYでヒップな自転車スタイルを取り入れたバイシクルパンツや、大きめのポケットとボタンが特徴的なフローラル柄のシャツ、またオールドスクール感溢れるファットシューレースのスニーカーなど、ストリートを常に見つめているマークらしい仕上がりのアイテム達にも注目したい。

Text:Yasuyuki Asano


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