Fashion Show

Alexander McQueen

前回に引き続き、プレゼンテーション形式でスーツを中心としたコレクションを披露したマックイーン。しかし今回は、伝統的なサヴィルロウテーラリングをベースにしながらも、デイリーな着用を意識したリラックス感と、グラフィカルなテクスチャーとカラーが特徴。

テーマとなったのは、男性の虚栄心。『ベニスに死す』や『ドリアン・グレイの肖像』で描かれたような、若さと美しさへの憧憬とそれが醜く崩れていくさまに、クラシカルな英国紳士のスタイルをあわせた。

まずはホワイトやブルー、ミントグリーンといったペールトーンや、ヴィクトリアン調のモザイクタイル柄が、若々しいフレッシュなエレガンスを感じさせるルック。そこからドレス感を残しつつ少しカジュアルになった、パジャマ風のシャツやパンツ、更にレザージャケットやニットなどストリート的なピースが続く。

そして豪華な刺繍やシルクジャガードとモノトーンのテーラリングアイテムを織り交ぜて表現される、男性のデカダンス。トンボのモチーフなどのデコレーションやジオメトリックなパターンによるきらびやかなテクスチャーと、ホワイトラペルが印象的なタキシードやオーバーコートのブラックがコントラストに。そして胸元のフラワーホールには、愛と美しさを象徴する黄色の蘭の花。

ツートーンのモンクストラップシューズや刺繍スリッポン、クリスタルのベルトといったアクセサリー類、また2シーズン目となったコラボレーション「Huntsman For Alexander McQueen Savile Row」のピンクのスーツとタキシードにも注目。

Photo:Takaaki Miyake Text:Yasuyuki Asano


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