Fashion Show

EACH X OTHER

EACH X OTHER Spring / Summer 2017 Collectionは、Robert Montgomeryの詩、”Mediterranean Flowers”よりインスパイアされ、現代社会によくみられる、自然と都会の暮らしの双対性を表現している。都会で暮らすカントリーガールは、少女時代の終わりなき夏を回想し、同時に都会の生活に活気を感じ、これらの双対性により郷愁的な想いにひたる。
 
アーティストのAlessandra D’Ursoは、現代社会の中の自然の美しさを捕えた、彼女特有の、モノクロのクリアで鋭いフォトグラフィーで表現した。Thierry Dreyfusは、ウォーターカラーのイラストレーションを用いて幻想的なタッチを加え、モダンとクラシック、田舎と都会の融合を強調した。
 
地中海で過ごした夏の思い出は、クールなピンストライプとパリっとしたコットンに投影し、心の穏やかさは、シアーファブリックと繊細なディテールで表現、そしてフレッシュブルーとクリーンホワイトがコレクションを彩っている。モダンなレイヤードによってなめらかなシルエットを創り出し、ボリュームのあるシルエットのウエストはしっかりと縛られている。
地中海に咲く繊細な花々が、気品のある刺繍やパッチワーク、プリントで登場。タトゥーのように刺繍が施され、パッチワークとプリントがコレクションにアクセントをもたらす。
 
今季もテーラリングがコレクションのキーとなっている。特徴的なイギリス刺繍の生地は都会的なスーツに姿を変え、高級なシルククレープで仕立てられたアイテムにはウォーターブルーのストライプを加え、あるいはメッセージを描き、都会の生活に最適な機能性を兼ね備えた、ロマンティックなスタイルを提案している。
輝くゴールドは、都会の夕暮れを描写し、夏のサンセットのキラキラとしたきらめきを回想させる。グラフィックのライン、レイヤリング、カラーブロックが都会の景観を表し、さらにニューヨークのストリートでの生活に不可欠なスポーツウェアの要素を備えている。
シーブルーとウォッシュド・ローホワイトのカラーデニムで、今季のワードローブを完成させる。ライトデニムが流動性と軽やかさを与え、ビーチに打ち寄せるささやかな波のように揺れ、常に背後に存在し現在の自分を築いている思い出が、オープンバックのデザインやバックスタイルに施された装飾となって表れる。
 
今シーズンは、より鮮明な美学を目指し変貌を遂げた。かつて地中海を探検しながら夏を過ごした少女の無垢で純粋な感情は、現在、異なる景色の中で具現化されている。彼女は、二ューヨークのストリートで、自然の中で過ごした時代に心に刻んだ太陽を回想し、少女時代の自由な精神を夢見ながら新たな人生を生きている。思い出と現在、自然と都会は、完全に統合される。
 
EACH X OTHERはブランドシグネチャーに基づき、家の中でも外出時でも、意識の高い時も気軽な時も、あらゆる生活の中で着用できる独創的なワードローブを提案。それぞれのアイテムには、過去の記憶を蘇らせふと回想させるという意図があり、過去から現在に至り変化するように、複数のものをひとつに統合している。テーラリングはスポーツウェアと融合し、ロマンティックな要素はスウェットとスタイリングをし、大胆なストライプには繊細なディテールが施されている。
 
 
ROBERT MONTGOMERY:
スコットランド生まれ、ロンドンベースで活動するコンセプチュアルアーティストであるRobert Montgomery(ロバート・モンゴメリー)。彼は公共のスペースを使ったインスタレーションや、世界中のビルボードの広告を自身の作品に貼り替えるという方法で詩を発表している。彼の詩に出会ったとき、人々は人生においてとても重要な瞬間に直面する。作者不明の詩が、まるで誰かが語りかけてくるような感覚を引き起こし、ひらめきをもたらす。大自然や都会の中で発表されるテキストアートを通して、彼の言葉は、周りの環境だけでなく我々の存在そのものとなり、記憶に残り、輝かしい経験として生き続ける。彼は、我々が想像するよりもはるかに痛烈な方法で、現代社会を明確に描写し、非難し、称賛し、情勢を説く。 http://www.robertmontgomery.org/

ALESSANDRA D’URSO:
イタリア人のALESSANDRA D’URSO(アレサンドラ・ダーソ)は、写真を使って私達を取り巻く世界を探求し解釈する。彼女の着眼点はユニークで、光と影とテクスチャーにフォーカスして、世界をモノクロで表現する。カラーを排除することにより、被写体の持つ本質を明確に写し出す。彼女の写真を見ると、神秘的な感覚が生まれ、より前に進みたい、より深い部分を見たい、という衝動にかられる。
彼女はNew York Film Academy のInternational Centre of Photography and Film で学んだ。卒業後すぐにパリに引っ越し、Magnum Agency でインターンとして働いた後、様々な雑誌、プロジェクト、エキシビジョンで、社会問題についてのストーリーを制作した。そしてその後10 年間、Iggy Pop, Jack White、Jay-Z などのカリスマ的ミュージシャンたちのツアーに同行し、写真を撮影した。現在はパリに戻り、パーソナルなプロジェクトに取り組んでいる。 http://www.alessandradurso.com/
 
THIERRY DREYFUS:
アートディレクター、フォトグラファー、アーティストであるTHIERRY DREYFUS(ティエリー・ドレフュス)は、到底理解し難い、真価の分かりづらい要素である”光”を、表現手段として用いる。彼の作品には、光が語りかけてくるような、ユニークで印象的な雰囲気がある。彼は光を反射させてやわらかな輝きを創り出す達人であり、ハイビームとレーザー光線の名人。ライトアーティストとして、実体のない表面の部分を、欲望や刺激といった形に変化させる。体がミラーとなって、自分自身、容積(volume)や空間(space)を投影することができる。
1985 年よりアートディレクター、アーティストとして活動し、Eyesight Fashion & Luxury(プロダクション)でショーやイベントを共同プロデュースし、光の遠近法を利用して、現代のランウェイの境界線を拡大してきた。彼は、照明デザインが、Notre Dame de Paris、Grand Palais、Chateau de Versailles を含め、世界的に進化することを求め続けている。またこれらのプロジェクトと平行して、Art Basel などの世界中のエキシビジョンでディスプレイしたような”light object”を制作している。 http://www.atelierthierrydreyfus.fr/


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