Fashion Show

EACH X OTHER

ルーブル美術館のレストランLoulouのテラスにてランウェイショーを行った2017 Spring Summer Collectionでは、ロサンゼルスとパリの文化のクロスオーバーを称賛している。
 
Jean-Charles de Castelbajac (ジャン・シャルル・ドゥ・カステルバジャック)、ライティングのスペシャリストThierry Dreyfus (ティエリー・ドレフュス)、フォトグラファーのAlessandra d’Urso (アレサンドラ・ダーソ) などが手がけた今季のコレクションは、チュイルリ公園の芝生でSivan Chriquiのダンスパフォーマンスと、EACH X OTHERコミュニティのアーティストRobert Montgomery (ロバート・モンゴメリー) のウッドアートワーク“All Palaces Are Temporary Palaces” を燃やす“Fire poem (ファイヤーポエム)” のパフォーマンスが披露される中、モデルたちがウォーキングをし、“Art Meets Fashion” というコンセプトを表現した。
 
The OH LA LA LANDのアートワークは、トラディショナルとモダンさを兼ね備えている。スペクタクルの本場であるロサンゼルスの壮大な新世界と、アートやファッションの発祥の地であり精巧な街であると支持されているパリの双対性という、現代社会の矛盾を表現している。
ブランドと身近な存在であるアーティストたちとのコラボレーションは、シチュエーショニズムが重要な課題であり、具体的には、フランス人のGuy Debord (ギー・ドゥボル)によって説かれた”The Society of the Spectacle (スペクタクルの社会)” という思想からインスパイアされている。
 
今シーズンのコラボレーションの目的は、EACH X OTHERの真価である文化革命やコミュニティの精神を蘇らせること。アートパフォーマンス、ダンス、シアター、またロサンゼルスの人々が身に纏うビンテージミリタリーの洋服など、さまざまな角度のスペクタクルから影響を受けている。そして、今季のコレクションの女性像は、伝統の価値を忘れず、その伝統の様々な抑圧から自身を解放した、現代の多元性を象徴した女性。彼女は、炎が揺らめく印象的かつ大胆なパフォーマンスの中で、豪華なダンスショーにより自由を誇示し、ハリウッドの輝くネオンとモンマルトルのミステリアスな反乱の融合を表現。見られたいという強い欲望を持ちながら、意のままに残り火のように消し去ることもできる彼女は、ステージにもストリートにも存在する。光を発し、光をさえぎる・・・それは燃えさかる炎とくすんだ灰を共に象徴している。
 
”光” が核となるテーマ。ロバート・モンゴメリーのファイヤーポエムにより、太陽のゴールドの光と炎のオレンジのトーンが重なり合い、これらがコレクションの中でキーカラーとなる。ゴールドのエレメントで仕上げられる光沢のあるクレープスーツから、強い印象のアンドロジナスなレザーピースまで、ウァームオレンジのカラーが多く登場する。ゴールドボタンと対照的なインサーションは、古典演劇よりインスパイアされたコスチュームであり、”The Spectacle” の気取ったイメージを演出する。その一方で、リブのファブリックや優美なランジェリースタイルは、ダンスの自由な印象と官能性を表現する。
 
ベアバック、オフショルダーのネックライン、ボタンを開放したスタイリングが人々を誘惑し、ファブリックには冒険心と果敢さを呼び起こすポエムと刺激的なアートワークが描かれている。フレッシュブルーの色彩が爽やかさを演出し、ポプリンのスタイルやサンフェイドデニムなどがピンストライプのファブリックや煌くゴールドのディテールとともに登場する。そしてロックンロールTシャツやワッペンのついたミリタリージャケットのような、よりクラシックなデニムスタイルがコレクションを完成させ、”cleaned-up punk babe(優等生のパンクルックの少年少女)”に究極のワードローブを提案する。
 
今季のコレクションは、モダンなスーツやトロフィージャケットからクールガールの日常的な不可欠なアイテムまで、EACH X OTHERの独創的なワードローブを強調し、そして、着用者が自身の素晴らしいセンスと独特なスピリットを表現することを支持している。


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