先日アムステルダムで披露されたコンセプチュアルなコレクション「Mummification」が話題となったオランダ人デザイナーIris van Herpen。その彼女にメールでのインタビューをした。
—今回のコレクションの背景について教えてください
今回はエジプト人が死後の体を美しくそしてまるでアートのようにトランスフォーム(変換=ミイラ)するといったところから着想しました。彼らは現実をアートを通じてクリエイトしているのです。日常をまるで幻覚であるかのように死後の現実を本当の現実として作り出している(考えている)のです。言い換えれば存在しているということに価値というのは無く彼ら自身の現実を作り出しているのです。こういった現実、フィクションやアートへのアプローチの仕方、それと共に古代エジプト人のミイラ化の技術というのを私なりの解釈でコレクションに注ぎ込みました。
—デザインアイデンティティを教えてください
特別で普通では使われない素材を全てのコレクションに用いること、ボディに対する新しいオーガニックの形、アヴァンギャルド、フェミニン、といった3要素と共にクリエイトすること。
—どういったところからインスピレーションを受けるのですか
それは毎回私にとってのチャレンジといえます。ただインスピレーションの始まりはいつもマテリアル(素材、材料、原料、生地など)からです。コンセプトや更なるインスピレーションはデザインしてる最中に無意識のうちに収集しているのです。
—デザインをしている上で最も感動的、喜ばしい部分とはなんですか
全てのデザインが完成した瞬間とそれをモデル、もしくは誰かに着せた時です。デザインには生命が宿り自我を得るのです。それはまるで魔法のような瞬間といえるでしょう。
—デザインアイコンは誰ですか
Alexander McQueen, Nicholas Ghesquière
—あなたの描く顧客像とはどういった人達でしょう
心を広く持ち、自意識の強い女性といえるでしょう。
—あなたのデザインにおいて女性らしさとか男性らしさというのはどれくらい重要なのでしょうか
一般的な「Sexy」だとか「Classy」とかいったアプローチの仕方というのは私にとって全く興味の無いことです。私は(一般的なアイデアから離れて)全く別の女性らしさを創造することに挑戦しているのです。
—デザインをする上で毎回同じプロセスを経ているのでしょうか
全く違いますね。アイデアは全て頭の中にあるので私はドローイングをしないのです。私のコレクションは本能や直感そして実験を重ねることにより完成するので毎回全く違ったプロセスを経ていると言えます。
—あなたのデザインスタイルを短い言葉で表現してください
Androgynous(両性の)feminity(女性らしさ), avant-garde(アヴァンギャルド), fluently, slightly futuristic(僅かに未来的), dark and three-demensinional(ダークそして立体的)
HP – http://www.irisvanherpen.com/
(Interview, Text, Translation/Masaki Takida)
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