Interview

bodysong. 後篇

自分ひとりの作品以外でも他のみんなと関わって作品作りをしたいですね。自分ひとりでは限界がありますので

-半期に一回展示会をやってるようですがそこでは何を展示されているのですか

自分に関してはシーズン毎の展示会というよりも出来た物を皆さんに発表する場です。

-影響を受けたデザイナーはいますか

最近はあまり洋服自体を見ることが少なくなったのでわからないのですが昔から影響を受けていたのはMartin MargielaだったりBernhard Willhelmです。一貫したイメージ作りをしている姿勢に影響されます。

-洋服を見なくなった理由はなんですか

雑念がはいるからですね。(洋服を見てしまうと)影響を受けてしまうという面がないわけではないので。欲求が作る方向に向いているので作ってるうちに自然と見なくなりました。

-過去の自分の作品から影響を受けたりしますか

それはないですね。その時の感情が洋服に反映されていると思いますので。

-よく使用する素材はなんですか

ニットが中心です。ジャージャーや綿ジャージーであったり手編みのニットだったり自分が好きな素材ですし今は自分の興味がそこに向いているので突き詰めたいと思っています。

-イメージソースについて教えてください

音とか現代思想などの本です。実際にイメージがある物よりそこから自分でイメージする物が多いです。妄想するのが好きなんです。視覚的なところから影響しているのであればメディアアートとかですね。音とリンクした映像だったり。音に関連した物が大きいです、ライブを見るのもそうですし。

-特に影響を受けているアーティストを教えてください

Carsten Nicolaiの影響はかなり強いです。あとは池田亮司さんからも影響されています。彼らはDIYで全てやっていて。勿論サポートしてくれる人はいるのですが。自分達で何かをやるということを意識していますので彼らの活動にも影響を受けています。

-ファッションに興味を持ったきっかけはなんですか

洋服を着るということが最初は凄く好きだったので高校の頃からTシャツ作りをしていたんです。そういうのもあって簡単な気持ちでファッションに行ってみようって。デザイナーになりたいというよりはファッションにかかわりたいという気持ちの方が大きかったです。

-ブランドを大きくしたいという気持ちはないのですか

自分の許容範囲を超えることは考えていないです。量産は考えていませんので。

-アート活動などの創作活動などをしたいという気持ちはありますか

思いますね。Dinnerをやっているのはそういうのをやりたいという意識を持った友人を集めてやっていますので。

-Dinnerについて教えてください

日本のファッションや表現とかって、日本人は保守的なので自発的にやることって少ないですよね。何かをやりたいけど場が無いという人達を集めて一つの場においてぐちゃぐちゃになるじゃないですか。そうしたときにおきる何かを感じて欲しい場なんです。

-アーティスト集団なんですか

それに近い物だと思います。デザイナーもいますし、空間表現をする人もいますし服に限らずです。アート活動に近いのかもしれないです。

-洋服以外に作りたい物はありますか

オブジェ的な物も作りたいです。Dinner名義でVogueに依頼されて金属オブジェを作ったんです。自分ひとりの作品以外でも他のみんなと関わって作品作りをしたいですね。自分ひとりでは限界がありますので。

-最近の日本のファッションについてどう感じますか

単純に面白くないと思います。自分が学生の頃はまだパワーがあった気がします。自分を表現しているデザイナーさんが昔は多かったと思うんですが今もいるとは思うんですが表面的には出ていなくて隠れてしまっている気がします。ファストファッションの影響も強いと思うんですけど。

-今個人的に面白いと思うデザイナーさんはいますか

HIROさんですね。自分のやりたいこととファッションとして着れる服というのを両立しているんで素晴らしいと思うし、凄く尊敬しています。

-今の東京は若手デザイナーにとってチャンスや成長する土壌はあると思いますか

自分がこういうことをやっていて感じるのですがそういうのはあまりないと思います。海外の話を聞いてると日本との違いは大きいなと思います。

-ショーをやりたいという思いはありますか

それは考えていないですね。

-自分自身はデザイナーだと思いますか

自分は違いますね。自分は職人だと思っています。周りから見たらデザイナーなのかもしれないですが。自分が思い描いていたデザイナー像はデザイナーじゃなかったんです。自分が思い描いていたデザイナー像というのは全ての作業を自分の手でやるものなんです。

Interview, Text/Masaki Takida

3 Responses to “bodysong. 後篇”

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