2011年5月31日〜6月12日の期間、表参道に位置するファッション複合ビルGYREにて「能作展-NOSAKU_ism」が開かれた。
大正5年(1916)創業以来、富山県高岡の地に400年伝わる鋳造技術を用い、仏具、茶道具、花器を中心に、近年はテーブルウェア、インテリア商品、建築物などを通じて伝統工芸品である高岡銅器の魅力を今に伝え続ける“能作”。
鋳造(ちゅうぞう)とは鋳型(いがた)に溶けた金属を流し込んで製品を作る方法で、できた金属製品は鋳物(いもの)と呼ばれる。
展覧会では錫、真鍮、青銅を用いた味わいのある作品群が並べられ、
“能作”の長い歴史の中で培われた伝統、技術、精神の深世界を披露。
会場の壁にはカメラマン鈴木心氏より撮影された鋳造の工程や、“能作”に携わる人達の写真が一面に広げられた。
又、現在開催中の今夏のGYREのシーズナブルディスプレイは“能作”によって制作されたもので、モビールがGYRE館内の高さ30mの吹き抜けを彩り、先端には真鍮で作られた風鈴の音色が空間に漂う。「風を聴く、音を観る」をテーマに、夏の暑さをひととき忘れる様な、目にも耳にも優しい癒しを日本の美意識とともに空間全体で表現されている。
「能」の詰まった味わいのある製品、「作」への好奇心を形にすべく、分野を超えたものづくりに挑戦し続ける“能作”の世界観に是非触れてみて欲しい。
《GYREモビールインスタレーション「風を聴く、音を観る」》
会期:2011年5月31(火)日〜8月中旬 11:00〜20:00
会場:GYRE 中央吹き抜け
東京都渋谷区神宮前5-10-1 T:03-3498-6990
主催:GYRE 協力:株式会社 能作
空間構成:JTQ 谷川じゅんじ