2011年から始まったたアーティスト・ミヤギフトシ主催のAmerican Boyfriend企画のトークイベント、今回は老いや古いものの持つ記憶をテーマに、星野太さん、堀江敏幸さんをゲストに開催する。
美術手帖2015年11月号誌上にてヴォルグガング・ティルマンス展『Your Body is Yours』のレビューを星野太さん(「ティルマンス(と私たち)の11年」)とミヤギフトシさん(「老いてゆく為のInstrument」)でそれぞれ書き、その後星野さんと老いや加齢についての話を始めたことが本企画のきっかけとなった。
それから、ミヤギさんは個人的にセクシャルマイノリティーのアーティストと「老い」や「加齢」について、そして、フェリックス・ゴンザレス=トレスをはじめとした作家たち、老いることなく死んでしまった人びとについて考えることが多くなったという。また、「The Ocean View Resort(2013)」の破れた兵士の写真など、古いものから褪せてゆく記憶、それとは反対に立ち上がってくる物語は、制作においても重要な要素となっている。
古物市で見つけた古い絵葉書からある詩人の物語が立ちあがる『その姿の消し方』や地方の小さな町に住む年老いた登場人物たちの物語『雪沼とその周辺』などの著作がある堀江敏幸さんをもうひとりのゲストに、老いや記憶について話していく。また、トーク冒頭ではフェリックス・ゴンザレス=トレスの作品やそれらがミヤギさんに与えた影響についての簡単なプレゼンテーションも行う予定となっている。
場所:VACANT(東京都渋谷区神宮前3-20-13)
開催日:2016年11月27日(日) 14:30 open/15:00 start
入場料:1,500円
登壇者:星野太、堀江敏幸、ミヤギフトシ
司会:江口研一
予約:info@takashiogami.com
*件名を「老い、失われる記憶と生まれる物語」とし、お名前・人数・ご連絡先を明記の上、上記のアドレスまでメールをお送りください。
プロフィール
星野 太(ほしの・ふとし)
1983年生まれ。美学、表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、金沢美術工芸大学講師。共編著にThe Sublime and the Uncanny(UTCP、2016年)、現代美術に関する著書に『奥村雄樹——ジュン・ヤン』(美学出版、2013年)、『コンテンポラリー・アート・セオリー』(共著、イオスアートブックス、2013年)、『キュレーションの現在』(共著、フィルムアート社、2015年)などがある。
堀江敏幸(ほりえ・としゆき)
1964年、岐阜県生まれ。作家、仏文学者。早稲田大学文化構想学部教授。著書として、『郊外へ』(白水社)、『おぱらばん』(青土社)、『熊の敷石』(講談社)、『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』『その姿の消し方』(以上、新潮社)、『正弦曲線』(中央公論新社)、訳書として、エルヴェ・ギベール『幻のイマージュ』(集英社)、ロベール・ドアノー『不完全なレンズで』(月曜社)などがある。
ミヤギフトシ
1981年沖縄県生まれ。美術作家。沖縄やアメリカ、東京での自らの体験や記憶から、国籍や人種、自らのアイデンティティといった主題について、写真、映像、オブジェ、テキストなどで紡ぎ出す。文芸誌など美術媒体以外への寄稿も行なっている。現在、豊田市美術館にて開催中の「蜘蛛の糸」展に参加中(12月25日まで)。
江口研一
ライター・翻訳家・料理家(food+things)。翻訳書は『ハイウェイとゴミ溜め』(ジュノ・ディアス著)、『ヴェロニカは死ぬことにした』(パウロ・コエーリョ著)、『FASHION TRIBES – GLOBAL STREET STYLES』、『自由な反逆のすゝめ』(Huck著)など。