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Lillies and Remains「TRANSPERSONAL」TOUR FINAL at Unit

2011年5月22日代官山UNIT にてLillies and Remainsの2nd Full Album「TRANSPERSONAL」のリリースツアーのファイナルが行われた。

春の嵐ともいえる生憎の天気の中、15分予定より遅れてライブは
“世界的な”バンドではなく、バンド名が「世界的なバンド」のというバンドのオープニングから始まった。

ステージは暗転なまま、突然割れるようなスクリームとともにライブは始まった。期待感と焦燥感をかき立てるような、攻撃的なサウンドだ。
短い嵐が駆け抜けたあと、嵐の過ぎ去った後の闇に光がさすように白い花で装飾されたステージにLillies and Remainsのメンバーが逆光の中に登場し、始まった。

「Lucid」が始まると同時に赤い照明がかわり、一瞬にして先ほどまでの空気が変わった。研ぎすまされたギターの音色が響き、地を這うような重厚感のあるベースやドラム、じわじわと浸透してゆくヴォーカル、一瞬にして、この数ヶ月でLillies and Remainsのライブのクオリティーはもう次の次元に達していたのだと感じさせた。

Lillies and Remainsの世界感がUNITの会場を飲み込み、オーディエンスは彼らが繰り広げる叙景的な世界に陶酔しているようであった。
Lillies and Remainsの全体世界観は一貫しているのだが、一曲一曲ごとにまた多様な極面をみせる。「Poles Apart」では切迫感を感じられるほど攻撃的であり、将又、「Injustice」は儚く繊細でもあり、可変的だ。
ライブが進むにつれて、まるで会場自体が異次元のような、まったく日常から逸脱した空気に包まれていた。

途中、LEO今井氏がゲストとして参加し、さらにアグッレッシブなアプローチとなった「Across The Line」やLillies and Remainsのルーツともなった Joy Divisionの「Disorder」など、ツアーファイナルならではのエクスクルーシヴなパフォーマンスもオーディエンスを魅了していた。

<Set List>
Lucid
Broken Receiver
Devaloka
Moralist S.S.
Poles Apart
Solitude Of Vigour
Effectual Truth
You’re Blind
Injustice
Human Intellect
Grind
Sigmablade
Upsetter
Aggregate Our Life
Across The Line ※GUEST/LEO今井氏参加
Disorder(Joy Division cover)※GUEST/LEO今井氏参加
Trans

〜A.C〜
The Fake
Wreckage
a life as something transient

Lillies and Remainsの音は無色透明なようで、気付いたときには既に全身に廻っている毒のような中毒性がある。
今回のツアーファイナルでのパフォーマンスは半年間の集大成と言える、ポジティブな意味で期待をはるかに大きく裏切られる、完成度の高い時間と空間であった。

「TRNSPERSONAL」 Lillies and Remains  On Sale
FIFO-0019 2,625円(Tax in)

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:kyoko.h

→Lillies and Remains at Shibuya Chelsea Hotel
→Lillies and Remains 2nd Full Album 「TRANSPERSONAL」4月6日発売

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