18 S/S Collectionのテーマは”PRISM”。
写真家川内倫子による光の中の泡を映し出したような幻想的な1枚の写真の中から浮かんだ、「プリズム」というキーワード。光の屈折のイメージや現代アーティストHnryk Stazewski、Bjorn Copeland、Francois Morelletらによる平面上での直線的な切替やずれ、ゆがみなどのモチーフ作品をインスピレーションに、生地の切替えによるコントラストに落とし込んだ。
「プリズム」-光の角度、屈折によって同じものでも見え方が変化するという観点から、無地やカモフラージュ、小花柄、クロスステッチ刺繍、ギンガムチェックという普遍的な柄を、誰も見たことのないオリジナルテクスチャやレイヤリングに置き換えた。
無地のポリエステル生地を、あらゆる方向に屈折させたように押しつぶしたクラッシュ加工。カモフラージュ柄の透ける生地は、オーガンジーに枝柄のグリッタープリントを施し、その上にピンクと水色の入り交じった顔料と樹脂をコーティングした和紙を迷彩モチーフに散りばめ、シュリンク加工を施した。その他、フランス老舗のレース会社アルベール・ゲガン社によるクロスステッチを施した特注レースや、京都の職人による手染めのグラデーションギンガム、オパール箔加工を施した小花柄の生地など、それぞれ特徴的なオリジナルティスタイルを用いるとともに、全て職人による手仕事でつくられ、大量生産では生み出せない手仕事特有のアンバランス感や不完全さにも、プリズムの異なる角度からみたときの歪み、屈折の美しさとしての意味が込められている。