ブラックのカーテンで覆われた会場で、突如霧のようなスモークが焚かれ始まったショー。

今回のコレクションでまず目を引いたのがグラフィックとグラデーション。モノトーンのパレットに、アブストラクトなグラフィックプリントとディップダイによるカラーグラデーションが繊細な表情を与えている。

グラデーションで多用されたヴァーミリオンレッドと共に、全体のアクセントとなっている艶のあるブルーはエレガントな印象。

ロング丈のトップスとスリムなボトムスのプロポーションにより実現したのは、縦長のすっきりとしたシルエット。最も特徴的であった体に沿うドレスのようなトップスは、極薄のカットソーからジップアップにタートルネック、チャンキーなケーブルニットなど豊かなバリエーションを見せた。

デザイナーらしいダークでポエティックな世界観を見せながらも、同時に男性的な凛々しさも感じさせ、男性の持つ強さが加味されたコレクション。

Text:Yasuyuki Asano