セントマーチンズの旧校舎にてコレクションを発表したJ.W. Andersonは、貴族社会やユースカルチャーをインスピレーションにクリーンなエレガンスを備えた若者を描いた。
首元に金のブローチが施されたオレンジやグリーンのタートルニット、クロップト丈のフレアパンツが70sなムードを演出しながらも、ハイテク素材やミニマルなカラーバランスに、アウトドアなフラップ付きフィッシャーマンハットやスノーブーツが加えられたルックは、どこかレトロシックを昇華したフューチャリズムを感じさせる。
今シーズンもハイテク素材の探求や男女のワードローブを曖昧にするアプローチは健在。ラティスカットやパンチングが施されたネオプレンに加え、ニットのテクスチャーやナイロン、そして今回はアウターやバッグなど多くのアイテムでキルティングレザーが使用され、また長短様々なスカートもルックに加えられた。
またデザイナーの密かな挑戦、内に秘めたパンクを象徴しているのが、今回一切テーラードアイテムが登場していないという点。ミラノやパリのメンズブランドがスーツを軸としたクラシックに回帰していく中で、ニットウェアをベースにスポーティ、アウトドアな素材やアイテムで若々しいナイーブさを秘めたエレガンスを表現した。