Fashion Show

Astrid Andersen (MAN)

Topmanの支援のもとFashion Eastが主催し、今回のLondon Collections: Menでも一際注目を集めた若手メンズウェアデザイナーの合同ショー、MAN。James LongやChristopher Shannon、J.W.Andersonなどシーンを賑わすデザイナーを数多く輩出し、ロンドンのメンズウェアの現在形を知るのに欠かせないショーケースである。今回のラインナップは前回に引き続き、Astrid Andersen、Agi&Sam、そしてShaun Samsonの3名。ロンドンから発信される新しいストリートウェアの魅力が存分に凝縮され、今回もパワフルなショーとなった。

前回に続き2回目の選出となったデンマーク出身のAstrid Andersen。話題を呼んだ3年前のロイヤルカレッジオブアート卒業コレクションからシーズンごとに洗練を重ね、独自のスポーツラグジュリースタイルを確立して来た。

前回の少林拳をフォーチャーしたコレクションに象徴されるように、今まで男性の力強さを打ち出して来たAstridが今回足を踏み入れたのは、アスリートをはじめとした強固な肉体を持つ男性に潜む、繊細な精神世界。限界に挑戦し不可能を可能にするためには、「Your body is a temple (体は神聖な社)」という言葉の通り、宗教的と言えるほどの信念も必要不可欠である。

得意とするバスケットボールスタイルをベースにしながらも、ペールトーンのイエローを中心としたソフトで思慮深いカラーに教会のステンドグラスプリントを組み合わせ、おなじみのラグジュリーなファーやレースも今回はより繊細な印象を与える。

裸足でランウェイを歩むモデルからはどこかストイックなムードが漂い、更に研ぎ澄まされたAstridのアーバンスポーツウェア美学を感じさせた。

Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano


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