Fashion Show

Agi & Sam (MAN)

Topmanの支援のもとFashion Eastが主催し、今回のLondon Collections: Menでも一際注目を集めた若手メンズウェアデザイナーの合同ショー、MAN。James LongやChristopher Shannon、J.W.Andersonなどシーンを賑わすデザイナーを数多く輩出し、ロンドンのメンズウェアの現在形を知るのに欠かせないショーケースである。今回のラインナップは前回に引き続き、Astrid Andersen、Agi&Sam、そしてShaun Samsonの3名。ロンドンから発信される新しいストリートウェアの魅力が存分に凝縮され、今回もパワフルなショーとなった。

ユーモア溢れるヴィヴィッドなプリントを、クリーンでマスキュリンなシルエットに落とし込むことで、プレイフルでありながらウェアラブルなメンズウェアを展開するAgi & Sam。鮮やかなプリントをシグネチャーとするデザイナーが多いロンドンでも、シーズンごとにますます存在感を高めている。

2回目のランウェイショーとなった今回のテーマは、「Grandad, please can we watch cartoons now? (ねぇおじいちゃん、アニメ見てもいい?)」。おじいちゃんの家でつまらない番組を見させられたことを思い出し、おじいちゃんの前でいい子でいることを考えたのだというコレクションは、Magnum P.IやMiami Viceといった80年代の名作探偵テレビ番組で描かれた少しダサいマスキュリニティのパロディと若々しさがユニークに交錯する。

口髭をたくわえティアドロップを装着したモデル達が纏ったのは、おじいちゃんの家の室内装飾をイメージしたプリントアイテム。フローラルやサーフ風のものなどレトロなパターンにデジタル加工でひねりを加え、時にはヴィヴィッドなカラーと組み合わせることで現代的な仕上がりに。また従来よりもシルエットは少しリラックスに、更にショーツやトラックスーツなどでスポーティさも加味することでより夏を感じさせ、足元にはTabioのソックスとBirkenstockのサンダルをオン。

終盤には貫禄溢れるおじさんモデルも登場し、年齢に捕われることなくより多くの男性に遊び心溢れるファッションをアピールした。

Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano


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