Lee Roach

セントマーチンを卒業し、Meahdam Kirchhoff、Kilgour、そしてPeter Savilleで経験を積んだという、興味深い経歴をもつLee Roach。今回も「減少と繰り返し」に象徴される自身のミニマリズムを追求した。

まず注目したいのが素材使い。上質なウールやフランネルにレザー、そしてボリュームのあるナイロンの素材感が、そして時に切りっぱなしにされたその裾が、ブラック、ホワイト、ネイビーのシャープなテーラリングに微かな表情を与える。

ボタンよりタイトなフィットを実現するシグネチャーのストラップに加え、今回は全く開閉器具のないジャケットも登場。またTシャツやパンツなど随所に施されたシルバーのラインモチーフや英字のプリント、更にFoster & Sonとコラボレートして製作されたスエードブーツの深いグリーンが、力強いアクセントを与えた。

静寂の中に確かな実用性を込め、彼のフューチャリスティックなミニマリズムはより研ぎ澄まされた。

Photo:Takahito Sasaki Text:Yasuyuki Asano


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