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rooms23 VIVID review part3

今回はroomsに初参加の面々が集う、YELLOW BOOTHについて紹介する。このブースには服や小物、バックや靴などあらゆるものが一堂に会し、異様な雰囲気を放っていた。起業間もない方向けの小型のブースというコンセプトで作られたこのブースは、期待の新人を発掘するにはもってこいの場所で、多くのバイヤーやプレスが注目していた。その中でわれわれがいくつかピックアップしたもの紹介していきたいと思う。

最初に紹介するのはAUTTAA。レザーアイテムを扱うブランドだ。AUTTAAはフィンランド語で助けるの意。使っていく中でモノが育ち完成していくお手伝いをしてくれませんかという思いが込められている。バックや小物、靴を作っており、手仕事でありながら安定した品の良さを考慮し「甘くないハンドメイド」を軸に制作している。今期のテーマは『サーカスとひかり』で日々の暮らしに軽やかに溶け込み、洗練された力強い存在感をもつラインナップとなっている。シンプルなデザインがスエードなどの素材の良さをや風合いを際立たせている。デザイナーの新井直子氏は台東デザイナーズビレッジの一員でもあり、今回のroomsには多くのデザビレ(台東デザイナーズビレッジの略)の若きクリエーターが参加している。若いデザイナーが着実と育っている印象を受けた。

続いてはmy beautiful landletという2009年スタートのメンズウェアブランドだ。シーズンごとにコンセプトは設けず、サイズ感や色、素材を重視したストリートミックスのモードスタイルを表現している。卸しているSHOPはまだまだ少ないが、関西ではBEAMSで取り扱われていて、大阪には直営店のWallace & Murronも展開している。小さいサイズは女性にも人気でユニセックスに着られることも提案している。オーバーサイズのカットソーに光沢のある素材を見頃下方で切り替えモードとカジュアルの中間のようなテイストに仕上がっている。コートも裏地にも配色や素材感にこだわりがみえ、リバーシブルにも使えるアイテムもある。野暮さとスタイリッシュさ両方の側面をもつありそうでなかったブランドだ。

次に注目したのはWed。2010年にスタートした出来たばかりのブランドだ。デザインは進藤拓氏と池田琢磨氏2人が担当。古着などを分解し、再構築することをコンセプトとする。温もりを大事にするため徹底した手仕事にこだわり、ボタン、プリントなども自分たちで行なっている。まだSHOPにも卸してなく、展示会も初めてということで今回バイヤーの注目度も高かったのではないか。数種類のテキスタイルを切り替えたり、貼り付けたり、カラーバランスも常識に捉われない若さ溢れる服が並んでいた。古着の原型からパターンを引き直し、サイズ感を整え時代にあった服作りを心がけていた。

4番目に紹介するブランドはファッションプロダクトを展開しているproef。2011年にデザイナーの斉藤愛美氏と五十嵐勝大によって設立された。そこにあるものを少し別の角度から見直してみると、今日が少しだけ楽しくなるというテーマを掲げ、プロダクトデザインの視点からモノ作りを行なっている。今回展示されていたのはリングとストッキング。リングは装飾的なモノというより指の輪郭が浮き上がってくるような身体性に即したデザインが特徴。素材は工業用品をそのまま使用していて、ブランドコンセプトがしっかりプロダクトに反映されている。ストッキングはシンプルながらも計算されたデザインで、着こなしもしやすそう。ネット販売からスタートし、今では世界中でも人気を博している。プロダクトデザインという一貫した哲学から生み出されるプロダクトにこれからも注目していきたい。

最後はTAKINAMITAKASHI Leather Slippers。浅草ものづくり工房入居者で靴クリエーター滝浪孝氏による靴作りのノウハウを生かしたオールレザースリッパと本底やヒールと染めに特徴を持ったブランド。革の選定、仕上げ、特に本底、ヒールの手間の掛けようには驚かされた。羊、牛、豚と様々な皮を用途に合わせて使いこなし、機能性も高い。今年の2月から卸しを始めたばかりで、全国にはまだまだ扱う店舗が少ないが一度手にとってクオリティーを実感していただきたい。

次回part4はACCESSORY AREAを紹介していく。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Fumiya Yoshinouchi

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