Kagari Yusuke

カバン作家カガリユウスケ氏のアトリエに併設したギャラリーP2Gにて彼の4度目となる個展「2.5d」が開催されている。2.5dとは次元を意味する「dimensions」の略でCADなどで用いられる場合は平面上(2D)に描かれた立体(3D)に見える画像という意味を持つ。「カバンの本質は持ち歩く空間」をメインテーマに作る彼にとって、カバンを作る行為は平面を如何にして立体に組み上げるかというアプローチであり今回はそれを逆手に取った試みとなっている。個展には今回の為に制作した30点超もの新作で溢れている。

サイドファスナーを下げる事で完全な平面へと戻す事が可能な「オープントート」。表の形と裏の形が一つの面で交わった「メビウスボストン」。正方形から作られた三角形のリュック「カルトリュック」。セメントの固まりを連想させる「ブロックボストン」。一枚革から組み上げられた立方体「キューブパーティバック」など平面と立体を行き来したカガリユウスケならではの作品が並ぶ。

スウェット素材で作られたカバンは”テント”をイメージしたそう。カバンだけではなくカバン作りから派生した密買東京とのコラボレート作品「スキンスニーカー」や、ファスナーを開閉する事で光量調節が可能な「光らない」ランプシェード「閉じた照明」などの作品なども展示されている。

Photo:Takahito Sasaki Text/Masaki Takida

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