近くへの旅、遠く離れた地への旅、または全く新たな土地への移住であっても、人は故郷を離れるとき新たな環境に適応し、順応していく術を身につけていく。そしてそれはとりわけ服の着方に表れる。
AW2014コレクションは、1970年代のDavid Bowie初主演SF映画“The Man Who Fell To Earth”にフォーカスをあてるところから始まっている。地球でのミッションを課せられた宇宙生物は、彼を取り巻く外的環境に順応する必要性に迫られる。ビジネスマンルックの魅力を心に留めつも、David Bowieのキャラクターは独自のスタンスで自身のスーツスタイルを作り上げていく。
ストロングショルダーの落ち着いた色のテクニカルスーツジャケットは、細いベルトをしたウールのクロップドレッグパンツにのきっちりとタックインされた、ボルドー、ブラウン、プラム色チェックのウールボタンダウン、そしてチャコールグレーと黒のストライプのコットンドレスシャツの上に合わせられている。クランチ―ナイロンとウォッシュドラムスキンのコンビネーションジャケットと、ニードルパンチでプリントされたミッドナイトブルーの厚手メルトンコートは、ネイビーのエンジニアパンツと組み合わせている。
その間も変わらずに、ネオプレンジャケットとベストはしっかりとしたフォルムとボリュームを保ちながら宇宙生物を快適に覆い隠している。
ニューヨークベースのシューズブランド、Common Projectsとのコラボレーションによって、AW2014コレクションの移住者は、黒とネイビーのハイトップトラックシューズとブラックレザーのチェルシーブーツで飾り付けられている。暖かく保たれたそのスタイルは、グレートプラム色のネオプレングローブ、そしてしっかりと匿われたシルエットのトップに飾られたウールの兵隊ハットで完成する。