ロンドンメンズコレクションにてMaison MIHARA YASUHIROのコレクションが発表された。今シーズンのテーマは“ THIS IS ONLY A START”。
ファッションは時代を映す鏡。ミハラヤスヒロは、これまでさまざまな時代のカルチャーからインスピレーションを受け、ポエトリックな表現方法でファッションの可能性に挑戦してきた。今、そのファッションが持つ価値観は、時代とともに確実に変化してきている。
2017-18A/W コレクションでは、ファッションのあり方に対するミハラヤスヒロなりの解釈を、“シンプル”ということばから探ってみようと試みた。テクノロジーが台頭する現代、声高に謳われる“シンプル”という価値。“ベーシック”“スタンダード”などと解釈されるこのことばに、ミハラヤスヒロは向き合う。“シンプル”の追求とは、とても難解でインテリジェンスなものではないだろうか。
ベーシックなフォームから構成されるスタイルは、クラシカルかつエレガント。華美な装飾の代わりに、デフォルメされたディテールやシルエットを織り交ぜた。
ファッションが存在するためには、クリエイティビティは必須である。ミニマルに削ぎ落とす作業と、いかに潔く強く伝えられるか、インパクトを与えられるかとのせめぎ合いでもある。
そして、ミハラヤスヒロにとって今回の挑戦は、“始まりでしかない”のだ。