お久しぶりです。
先週の土曜日、ここのがっこうprimaryとadvance両方のコースが震災の影響で予定より一週間遅れて修了となりました。
今回の震災は、僕たち日本人にとって計り知れない影響を及ぼしました。そしてこれからも日本人のこころのどこかで大きな影響を及ぼすものとなるだろうと思います。
僕は今何が出来、何が言えるのだろうとずっと考えました。こんな時僕らが関わっている、表現しているファッションは何が出来るのだろうと考えました。僕以外の人も何かしら考えたと思います。
自分たちは本当にちっぽけだと思うし、とっても難しい問題なので、どのように向き合えばいいのだろうと思ったのですが、
ずっと考えていくうちに、たどり着いたのが、やはり自分が常々意識し、思っている事なのかなあと思いました。
それは、自分と向き合う事、自分のやるべき事、自分にしか出来ない事を考え、
人とともに生きる意志によって伝えていく事、表現していくことなのではないかと思います。
自分にしか出来なくて、そして人が求めている事をやるべきかと思います。それが僕がたどり着いた答えでした。
物事には順序があります。このような震災のとき、直ちに必要なものは、実質的な機能であり、なんらかの身を守れるものです。そしてお金だったりします。
そして基本僕たちが普段やっている事は、心と向き合ったものだと思います。心と向き合い、心を動かす事。きれいだなっと思ったり、かっこいいなって思ったり、ほっこりしたり。
なので、今までやっている事を続けていき、さらに今回の出来事を踏まえ深く向き合い、表現知る事が大切なのではと思いました。
そのように考え、僕も少しでもcocoに通うみんなに、自分たちが今向き合っている事、やっていこうとしているものの肯定が出来ればと思いました。最終日、あんまり出来てないかなーとかいろいろ心配してました。というのも他の学校ではやはり今学生のモチベーションが下がっている、作品に向き合える気力を失っているという話もいくつか聞いていたからです。それがある意味普通だと思います。
そして最終日を向かえ、僕はとても心が動かされました。奇跡だと思いました。
来ている子みんなが、自分と向き合い真剣にこれまで通り、これまで以上に真剣に自分の作品へと集中して表現していました。
心が動いたのです。感動しました。ファッションの希望と未来を感じました。
今日本のファッションが自粛ムードに包まれ、暗い環境の中で、これだけ真剣に作品に向き合い、あきらめず表現したみんなの作品を見させてもらい、ここから何か未来が生まれるのではと実感する事が出来ました。
そこにはファッションに対する愛情、クリエーションに対する情熱と心意気、そして何より楽しさがありました。
たった4ヶ月しかないのにも関わらず、ここまでやるかというみなぎる表現力がありました。
今の若い子、ゆとり世代はやる気がない、、など嘘っぱちでした。4ヶ月でここまで成長する感覚は僕がヨーロッパにいた時からいままでで感じたことがありません。
そしてこのような場所は絶対にこれからも必要だと心から思っています。こんなモチベーションの高い、自分の表現に対して強い意志を持った学生が集まるファッションの教室はここだけじゃないでしょうか?
僕がこんなにいうのは何ですが、ほんとに思ったのです。今回だけは言わせてください!
ほんとすばらしい受講生、環境だと思いました。
今日本は世界中から注目されています。いろんな海外からのメッセージや日本についての記事を読むと目がうるうるします。
日本人すら忘れていた、奥底に眠っていた日本人としての感情を見た思いです。それはとても情深く、冷静で、協調性があり、優しく思いやりがありました。日本人が当たり前と思ってやっている事が、図らずも世界から大きな評価をもらっています。
戦後60年以上、戦争のない、実感のない国、うわべの薄っぺらい膜で覆われた、ふわふわでプカプカでチャラチャラな国のイメージでした。僕はそうゆう日本の部分があまり好きになれませんでした。
20世紀の溜まったつけをいち早く食らったのが日本でした。日本だけじゃなく、他の国だってあり得る事だと思います。
今回日本人が持つ心の豊かさを感じることができました。こんなにすばらしい精神性を持った国は他にはないのではと思います。日本人が日本いいねって言っていいときだと思います。日本だから日本人だから世界に伝えられる事がたくさんあると思いました。
その豊かさを持って、日本を作り替え、世界へ拡散していければいいなっと思います。
悲観的で謙遜の念、自己否定精神を持った日本人だと思いますが、今回は誇りに思っていいと思います。
そしてcocoに通って表現に向き合った彼らがやった事は、自分に向き合うという、ある種今の世の中とは反対の事なのかもしれません。しかしそこには心を動かす何かがありました。今は小さな一歩かもしれませんが、数年後、10年後大きな価値を生むのではと思います。それを信じています。
ありがとうございました。
山縣