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MIKIO SAKABE

MIKIO SAKABE / 坂部 三樹郎

2006年アントワープ王立芸術アカデミーファッション科首席卒業。
'07-08 A/W コレクションをパリコレクションにプレゼンテーションという形で公式参加。
台湾出身のシュエ・ジェンファン(Shueh Jen-Fang)と共に、レーベル MIKIO SAKABEを立ち上げ、'08 S/S コレクションから東京とパリで発表。
→ MIKIO SAKABE

mikiosakabe×chimpom PARTY


今回のS/S 2011はかなり
複雑なそして僕の今おもうあらゆる
イメージを入れました。
一応興味がある方に
説明するべきだとおもったので
ここに書きますが
かなり長いものになってしまいました。
時間があるときにでも見てください。

コレクションのテーマはPARTYで
いわゆるみんなが思う 
友達同士で集まって 
お祝いをしたりするPARTYと
今回はもう一つの
 団体、政党などの意味の両方の意味を持ったテーマを選びました。
これは今回のショーのイメージにかなりぴったりの題名だと思ってます。
根本的にファッションは楽しむものですから。

そしてコレクションのコンセプトが今回はかなり
複雑な部分もあるのですが
まず初めに何を創りたいと思ったのかというと
60年代後半にアメリカの若者の間で生まれたヒッピー
70年代中盤にイギリスで生まれたパンク
のように
地位やお金などがない若者が何かしらの
メッセージを訴えたいという気持ち
自分達ができる唯一の発信、
こころが入っているファッションをもう一度考えたいとおもいました。
というのも
いまファストファッションがあらゆる意味でクオリティー
も高いですし、
もともとモードの強みであった 
ファストファッションではまねできないといわれた
本当のエレガンス そして新素材開発と
いう面でさえもどんどん近づいてきています。
これは紛れもない事実であり
高いクオリティーの服が お手ごろ価格で買えるという
まさに時代にあった洋服を提案してきていると思います。
このような現代で
ファッションでなにができるか
何が必要なのかをもう一度
考えたときに
服そのものシェープ、高級素材
カッティングというだけではなく
もっともっとこころにあるもの
 人が持つ意思や魂のようなものを
表現するべきだと思いました。
そういう意味で
今の僕が思う日本人としてのアジア人としての
メッセージというものを
真剣に考えたいと思いました。

ただそもそも日本でのここ最近の
歴史の中で若者からおこった
強い意志を持った
ムーヴメントがあまりなく
振り返ると大きいものでは
学生運動あたりまでさかのぼらないと
あまり記憶に残っているものがないということに
気づきました。
というのも 
なにか若者が 自分を削ってまで訴えたい
メッセージをもつということが
いまの日本の環境ではなかなかないのだと思いました。

ただそれを考えたときに逆に
その強いメッセージがないというのが皮肉にも
面白いメッセージになっているとおもったのです。
日本人の多くの人は
クリスチャンではないですが
クリスマスは祝うし
お正月もあります。
ファッションでもそうです
クリスチャンではないですがおしゃれとして十字架をつけますし
意味を考えなくてもメッセージTシャツをあわせたりもします。

そこがとても面白いなとおもいました。
ある意味自由に楽しんでいるように思えたからです。

日本は欧米のようなヒエラルキーを
ファッションのなかに持っていません。
特にヨーロッパは
もともとあった
階級社会からできている
服装なので 多くの場合
地位などの自分の位置を示すための
ファッションが根底にありますが、
日本は洋服というのは歴史が浅く
あるいみそのようなヒエラルキーを
無視してファッションを楽しみます
グッチのバックを持って
ストリートのTシャツきたり普通にしてます。
これは もともと海外の人から見たら
まったくもっておかしな格好かもしれませんが
最初は馬鹿にされていたものの
いまではこれもまた世界に
影響が出ているぐらいの
日本のストリートの軸になってきています。

そういう意味でもしかして
日本人はもともとある
仏教の考え方 人も 動物も 木も水も
同じというような深いところでの考え方も
当てはまるような気がします。
ここに真の日本人が出来る表現のヒントも
感じられます。

そのような意味でこれからの世界に対して
日本人として世界に何が発信できるかを考えたときに
もう一度日本のストリート
そしてメッセージをテーマにしたいと
思ったのです。

そして今回のこのテーマにもう一つ僕の中で強くあったのが
今回コラボレーションさせてもらった
CHIMPOMの 広島! に

とても共感できたからです。というのは
本当に深い社会的な問題に対して
なかなか若者が関わり辛くなっている。
これは僕も当然その中の一人ですが
あるいみ歴史的な深い問題や考えなければいけない問題にも
触れることが少ない。
そのなかで やはりそれでも何かしらきっかけが必要だと思いました。
日本にもそして世界にも 社会的 政治的 歴史的な深いもんだいはたくさんあります。

CHIMPOMが関わった広島の原爆は日本人が忘れてはならない
ことの一つです。
そしてここまで情報があふれるなか 一つ一つの問題を全て深く知っていくのは
難しいですし 当事者しか分からない問題もたくさんあります。
ただそのなかで 本当に深くまで知らなければそのことについて
若者が話す機会さえもなければ そのような問題はいずれ凍結されてしまうし
忘れられていってしまうかもしれません。

ぼくも そうなるよりもまずは触れるきっかけをつくりたいと思いました。
それはむしろファッションができることの一つだとも思いました。

もちろん軽薄だと思われるかもしれませんし
嫌悪感も感じる人も当然いると思います

ただそれを含めてもぼくは 今回のコレクションに
問題を入れていくべきだと思ったのです。

深いテーマを 深く哲学的に重く
表現するよりも
ある意味軽薄でも 軽く触りやすいもの
考えやすいもの
にしたいと思いました。
本当に必要なのは
楽しむことで  おもい問題を重く
考えさせるのが 僕のやるべきことではないのです。

そのような考えから
今回はファッションを通して

着てみることでいろいろなことに
触れるきっかけができたら
そしてファッションとして楽しんでもらえたら
とおもってます。

ショー自体では 本編の最後の方
に 中国の 石景山遊楽園
〇ズニーランドのキャラクターが出てきます。
あれも現代のいろいろなものが混ざったそして
そこにあるある種のチープ感や胡散臭さ
そして著作権の問題が
僕の今回のコレクションにぴったり
あったからです。

今僕がおもう魅力ある人とは
男性像 女性像
といことだけではないと思います。
いまこの現代において
人間としての魅力、
人と自然、人と社会
という人としての魅力あるというのが
一番大切だとおもってます。
そういう意味で何かしらのこころをもった
ファッションを創りたいと思いました。 ユーモアを持って。

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