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contemporary creation+

東京・吉祥寺の大正通りにあるショップcontemporary creation+です。
日本の注目のデザイナーの最新作やオートクチュールのドレス、世界の名デザイナーの稀少なアーカイブまで取り揃える、服好きの聖地のような小さなお店です。
サッカー好きなので、サッカー記事も多いです。
contemporary creation+
武蔵野市吉祥寺本町2-31-2-101
tel+fax 0422-20-8101
http://guild3.exblog.jp

日本画と水墨画と写真を探求 筆者写真展、9月15日(月祝)まで

吉祥寺の『contemporary creation+ 』にて9月15日(月祝)まで筆者の写真展を開催しております。

place
contemporary creation+
180-0004 武蔵野市吉祥寺本町2-31-2#101
Tel/Fax:0422-20-8101
open=12:30~21:00 月+金=休 (祝日の場合は営業)

今回展示している写真は、日本画や水墨画にヒントを得て、霧や雲、そして海などの水の流れをコンテンポラリー(現代)の作品として表したものです。

なので、撮影は、デジタルカメラで行っていて、プリントアウトしています。

今回の写真はもし、横山大観や東山魁夷などの日本画の巨匠達が、現代の技術を用いて制作したら、どうなったのか?を考えるプロセスでもありました。

鎌倉時代の作者不詳の名画『那智瀧図』、横山大観の『生々流転』、東山魁夷の『唐招提寺ふすま絵』などが、発想のモチーフになっていることは、見る人が見れば、お分かりかと思います。

東洋は伝統的に、水墨画というものが発達したわけですが、唐の時代に発展したものが、鎌倉時代に日本で発展し、日本画の元になっていきます。

筆者は、西洋画の風景画と日本画の違いを、西洋画の風景画は、空気遠近法による空間の表現を追求したものが大元であるのに対して、日本画の風景画は、対象そのものを水(流れるもの=流体)として捉え、その水(流れるもの=流体)である水墨で対象を表現したものだと捉えています。

すなわち、プロセスそのものが作品になっているのが水墨画であり、構図の中に捉えられた空間そのものが、西洋画の風景画ということです。

その水墨画のやっていることを西洋画壇に持ち込んだのが、イギリスの画家ターナーです。

ですから、ターナーの水彩画は大変素晴らしいのですが、油絵になると、また違ってきます。

対象そのものを水の流れで表現するのではなく、色彩で表現していくようになっていくということです。

そのターナーの流れの延長として、ドイツの画家、カスパー・ダビッド・フリードリッヒが存在し、さらにフリードリッヒを研究して日本に持ち込んで日本画に発展させたのが東山魁夷であるという風に認識しています。

そして、このフリードリッヒが描いた油絵の流れが、印象派の絵画=つまり、光を点で描き出すことにより、色=光を表現するようになった。

それは、印刷技術にも通じているわけです。

そして、印象派の影響を受けて、横山大観が、いわゆる『日本画』を生み出していったのです。

日本画というのは非常に曖昧な概念で、これは明治期に海外の美術との関わりの中で形成されていったもののようだ。

横山大観は、東京芸術大学の一期生で、その授業の一環として日本中の希少な名画を写生する機会を得ることが出来た。
そして更に留学により、世界の芸術と世界から見た日本の絵画の評価を知ることになる。

そうしたダイナミックなものごとを見る視点の変化が、大観の芸術ひいては日本画というものを形成していったようだ。

そして、横山大観の絵画というより、日本画の最高傑作と思われるのが、『生々流転』である。

『生々流転』というのは、水墨画が本来もっている能力を全て出し、水の流れそのものを表現することに成功していて、なおかつ、東洋思想そのものを内在しているということです。

『生々流転』

万物の始まり
雨が降り、水を集め、やがて川となり、生活を潤し、海に注ぐ。やがて海は荒れ、嵐となり天に昇り、また雨となって落ちてくる。

というわけで、今回の写真展の主要なテーマは、『水の流れの循環と形態を写す』ということです。

その話は長くなりますので、また後日やりたいと思います。

現在、この国の自然は、心の底から美しいと思う。

人間が、それを醜く変形させなければ。。
ということですが。。

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