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SHUN OKUBO

SHUN OKUBO / 大久保 俊

エスモード東京校で学んだ後、2002年パリに渡りステュディオ・ベルソーに入学。同校卒業後ROBERT NORMAND,BALENCIAGA,HAIDER ACKERMANN等のメゾンで経験を重ねる。2007年、ジュエリーブランドSHUN OKUBO&ASSOCIATESを立ち上げる。2009年、株式会社SHUN OKUBO&ASSOCIATESを設立。
SHUN OKUBOデザイナー。オンワードBEIGE,ジュエリーデザイナー。

Official HP: www.shunokubo.com
Facebook: http://www.facebook.com/pages/Shun-Okubo/388696241209283
Twitter: http://twitter.com/SHUN_OKUBO

Now it’s time to sleep good night

《花ひらいて》1934年/”Blühendes” 1934,199
Winterthur, Kunstmuseum Winterthur, Bequest of Dr. Emil and Clara Friedrich-Jezler, 1973
© Schweizerisches Institut für Kunstwissenschaft, Zürich, Lutz Hartmann

国立近代美術館HP http://www.momat.go.jp/Honkan/paul_klee_2011/index.html

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もう夜中の3時半を回ろうとしている、いや回ってしまったところですね、こんばんは。

すでにほとんど夢のなかなのでsが、

眠いゆえに頭にフワフワと浮かんでいることを書いてから寝ようかと思います。

久々の更新なのにこんな言い草でもうしわけないのですがほんとのことなので仕方ない。

ということで、今回は村上ショージのようにオチもなにもないかもしれませんが書き始めます。

さて、本日は国立近代美術館に行ってパウル・クレー展を観てきました。

これが想像以上に良い展示でだったんですが、何が良かったかというと後半部分に設定された3つのテーマによる構成が功を奏していた気がします。ぜひ会場に行ってご覧頂きたいのですが、クレーの創作手法を大きく3つに分けて展示してあります。特に一般の方々にも非常に分かりやすい感じだったんじゃないかと思います。これを観ると彼がバウハウスの講師として招かれた理由が本当によく分かる。

日本で恐らくメジャーな天使のシリーズは残念ながら今回はありませんでしたが、展示された作品数も申し分なく、

かといって決してマニアックすぎる内容でもないが、(きっと)発見がある、そんな好感の持てる展示でした。

パウル・クレーを後にし,国立近代美術館の分館(?)の工芸館にも足を運びました。

入り口は行ってすぐのミュージアムショップのウィンドウに平 松 保 城 さんのリングの作品がたくさん並んでいてびっくりしました。実は平松さんのファンなので個人的にたぎるものがあったというか、ふと平松さんの作品に触れることができたので、ちょっといい気分になりました。ちなみに平松さんの作品は世界の名だたる博物館&美術館に収められていていますし、作品は息をのむほどかっこいい。とにかく平松さんの作品をご覧になりたい方はぜひこの近代美術館、ドゥーポワソン、もしくは吉祥寺のOUTBOUNDにてご覧になってみてください。都内ばかりの情報で申し訳ないのですが僕が知ってるのはこの3箇所なので。

さて、たまたまシマシマに関する展示を見てきたんですが、焼物や友禅染や絵画などのなかにジャスパー・ジョーンズの作品もありました。

偶然ですが、最近僕はジャスパー・ジョーンズはじめ、Num June Pike, John Cage, Merce Cunningham,Joseph Beuysらについて、ちょっと調べものをしていたんです。だからジャスパーの絵を見つけて、ちょっと、おっ!となった。

もちろん自分の創作のためのリサーチなんですけれど、彼らは僕にとっては特別な存在、というか、そもそも一般的にも非常に影響力のあった方々ですが、個人的に最も大きな影響を受けた人たちであって、今回意識的にそこに一度もどろうと思っていたところでした。僕を形成した元ネタみたいな人たちですね(ちなみに例えばウォーホールとかバスキアとかポロック(etc.. とかにはあんまり影響されてないと思っています。)

僕がパリで少しだけ現代音楽をならったのもケージの影響ですし、カニンガムで現代ダンスを知り、パイクさんにユーモアと越境する態度を教えてもらい、、というか(どんな影響か、なんて書いていてばかばかしくなってきた)、そんなチマチマしたことではなく、周りに芸術家やアーティストや作家やデザイナーや学者が誰一人いなかった少年時代、迷えるただの子供だった僕を揺さぶり、導いてくれた人たち、

だから僕が何か作る時は必ず彼らからの影響が必ず少なからずある、と思っています。

実際に作ることを教えてくれたのは、校長のMarie、音楽家のDenis Dufour、デザイナーのHaider達

だったけれど、同じように僕を導いてくれたのが会ったことはないけれどパイクさんはじめケージやカニンガムだったんです。何が言いたいかと、彼らは僕という人間の元ネタだということなんですけれど、そしてなぜかそれを深夜に朦朧としながら晒しているというのはなんだか滑稽に思えてきました。こういうのは本来はあまりいわないほうが良いんだと思いますが、クレーと平松さんの作品を見たことと菊地成孔さんのラジオを聴いたことの熱にちょっと当てられて頭がおかしくなっているので仕方ない。

ということで、本当にオチもなにもなくって情けなくなってきましたがw、先日見つけたパイクさんと坂本さんが何十年も前に作った映像をここにアップロードして皆さんの目をそらすことによって僕の書いたこのブログことはきれいさっぱり忘れてもらうことを期待して、何もなかったようにアッケラカンと〆たいと思います。もうさすがに寝たい時間なので失礼いたします。それではおやすみなさい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

potto

6月10日に原宿VACANTで行われたPOTTOのショウ “ワイルドスタイルとか恐山”の写真を何枚か撮ってきましたのでせっかくなのでアップさせてもらいます。

by iPhoneですので画質はそんなによくないですが、雰囲気は伝わるかなと思います。個人的に友人でもあるモデルのMariさんやAkinoさんも会場で新作服を着こなしていて、家に帰ってきたようなリラックスした非常に暖かい会場でした。

ちょうどデザイナーの山本さんのインタビューもchangefashionで公開され始めたのでそちらと合わせてご覧になって頂ければと思います。滝田君と山本さんのやり取りがいつもすごく面白い。山本さんのあの感じがとても好きです。僕自身、山本さんの言ってることは、よく分かるようでよく分からないようでやっぱりなんか分かる、。

ただ、いまは、POTTOのようなブランドが東京にあるという豊かさを賞賛したい気持ち、そんな気持ちで、この写真を、気づいたら夢中で撮っていました。

では、ご覧ください。

ANREALAGE 2011-2012 A/W

『未来のイブ』ヴィリエド・リラダン著、斎藤磯雄訳 東京創元社
「私は諸君にかう申上げたい。我々の神々も我々の希望も、もはや科学的にしか考へられなくなつてしまった以上、どうして我々の恋愛もまた同じく科学的に考へてはならぬでせうか、と。」

ANREALAGE 2011-2012 A/Wのショウを観てきました。

(changefashion内リンク http://changefashion.net/fashionshow/2011/04/16225047.html# )

テーマは「LOW」。

配られた資料にはこうあります

かたちを見ること

よく分からないかたちを

よく見えないかたちを

かたちは伝え続けている

たとえかたちが変わろうとも

かたちはかたちであることをやめない

8ビット音楽(コンピューターゲームやボカロの曲のような)と生演奏ピアノの音楽。

モデル達の顔には一様にルーヴィックキューブに凹凸をつけて半透明にしたようなグラス。

テキスタイルは解像度を低くした花の写真などがプリント、

ジャガードのように編まれたように見える非常にアブストラクトな柄、

そして裾や裾や襟は低解像度の画像の輪郭をなぞるように直線でギザギザにカッティングされている。

このコレクションの「LOW」は明らかに低解像度の「LOW」であり、

低解像度化することによってANREALAGEがいう「かたち」という概念を可視化したというところだろう。

非常に明快なコンセプトとショウだったが、例えばデジタル柄はそれほど新しいものでもなく、

ディテールはギザギザになっている部分が面白いかもしれないが悪く言えばそれしかない。

今回のテーマ「LOW」は「かたち」(低解像度化され抽象化/可視化された「かたち」の概念)への賛美だと判断して良いと思うのだが、

服のシルエットのバリエーションも少なく、「服」を考えたときには面白みもないように思えた。絵柄にフォトショの“モザイク”フィルタをかけただけで「かたち」とはよもや言うまい。

(ただ、たいへん手のかかったように見える生地、生地と生地の接合の仕方?も垣間見られた)

一緒に見にいった方々の周りでは賛否両論、もしくは良い評価は少なかった。

ただ、上記に挙げたような、ある種単純過ぎたコンセプト、決して高いとは言えない「服」の完成度、

が露呈してたとしても、個人的に好感が持てた。それはなぜか。

ショウを観ているとき、僕は押井守監督の『イノセンス』の冒頭で引用されたヴィリエド・リラダンの言葉を思い出していた。

そしてボーカロイドを使用した音楽や、小惑星探査機“はやぶさ”の「擬人化」などにおけるデジタル/機械への愛情についても、

脳科学における心脳問題のように科学的に心情も解明できるということも。

心や情動も脳科学によって分析できること、機械に魂はあるのか?プログラムに愛を求めてよいのか?ボーカロイドは夢を見るか?というような葛藤を一蹴して、

楽観的に直感で進んで行こうダイブしようという、ポジティブなデザイナーの態度が垣間見られた。

社会的なトレンドの抽出、そして人間はこれからどうやって生きていけばいいの?という問いへのデザイナーの態度の表明。

分かりやすすぎるものを作ると違うものにいってしまう、というのは創作においてはよくある。

それを肯定しても良いのではないか。

深読みしすぎと言われればそれまでなのですが、深読みだとしても、この態度は評価すべきだと思う。

New Jewelry at 銀座三越

(新シリーズ”HISTOIRE(S)”より、HORSE  piercing。/ photo powered by iPhone)

昨年の12月、ホテルクラスカでのイベントを皮切りにNew Jewelryというイベントに参加させて頂いております。

現在、銀座三越でのイベントが行われており、SHUN OKUBOは明日、8日まで新作を揃えお待ちしております。9日からはブランドを入れ替え15日まで催事を行います。

SHUN OKUBOでは昨年から好評のダイヤモンドクオーツのジュエリー、ロングセラーのスパイラルスターシリーズなどをはじめ、ブランドの新ライン「HISTOIRE(S)」(イストワール)を初めて展示・販売致します。HISTOIREとはフランス語で歴史、物語を意味します。今回、フランスで買い付けた1950年代のテアトル衣装用の装飾的なボタンをモチーフに銀でジュエリーを制作しました。装飾の歴史の欠片・徴を可視化すること、アンティーク品の中に秘められた物語を掘り起こすこと。シリーズ最初の今作は、酸でシルバーを鮮やかに白色化させた、新たな銀の魅力を引き出したアイテムが揃います。

さて、このイベントは都内のジュエリーギャラリーとファッション業界のプレスの方が中心になって立ち上げたイベントで、

彼らが厳選した様々なジュエリー作家が参加しています。今日は何組かのブランドをご紹介致します。

ちなみに、僕から見た勝手な感想や、第三者的な視点からの説明であり、各ブランドのオフィシャルな見解ではありませんのでご注意ください(笑)僕の勝手なお勧め&ご説明です!

SIRI SIRI

デザイナーの岡本菜穂さんが手がけるジュエリーブランドです。

代表的な素材はガラスで、技術の非常に高い加工を職人さんとともに行い、

丁寧にデザイン、製造された素晴らしいジュエリーです。

素材の合わせ方や造形など、挑戦的で実験的、つまりコンテポラリージュエリーの要素がたくさん詰まったアイテムであり、

且つ、透明感や、清潔さ、簡潔なデザインからくる強さは素晴らしいです。

素材はガラスの他にも、藤、皮、木など自然由来のものがほとんどなのも、

このブランドにpurenessや普遍性を感じる理由でしょう。

tortue

加藤琴子さんと五十嵐彩子さんによるジュエリーブランド。

五十嵐さんは友達の友人であったことから、彼女たちがブランドを始めた頃から知っています。

女性らしい可愛らしさと、ユーモア溢れるデザイン。

でもそれでいて身につけると安心感を覚えるような暖かみ。

一般的でステレオタイプのジュエリーの構造を組み替え、驚きを誘うという手法は、

うちのブランドの精神にも繋がるところがある気がしていて、勝手に親近感を持っております。

ぜひ一度、お手に取って体験して頂きたいです。

maison des perles

小林モーコさんがデザイン、製作する刺繍のブランドです。

New Jewelryでは『 piece de conversation 』=話題の手がかりをテーマに1930年代のアンティークビーズに厳選し一つ一つ作るビーズ刺繍のアクセサリーを出品されています。フランスのモードの某メゾンでも仕事をされていたモーコさんが作る、動物、雷、クジラ、お化けなどの様々なモチーフのネックレスやブローチは、その技術から発せられる知性とのギャップが唯一無二のファンタジーを作り出しています。ハイファッションにも合わせられる、こんな愛らしい装飾品を作れるのはモーコさんだけ。

proof of guild

デザイナーの竹内稔さんがデザインから製作まで手がけているブランドです。

様々な貴石、美しい構造とフォルムが特徴的。

たとえば“線”をモチーフにした作品は、そのラインは力強く、そして安定感に満ちています。

竹内さんのデザインは美しい有機的な曲線が舞う中、決して危うさを感じさせないところが、

単なる工芸を越えた現代作家たる真骨頂です。

ということで、他のブランドのご紹介でした。

SHUN OKUBOは明日まで!ぜひ新しいラインであるHISTOIRE(S)シリーズを手に取って頂き、

ご覧頂ければと存じます。ご来場を心よりお待ちしております!

ドリフのファッション研究室最終回

こんばんは。

またまた告知で申し訳ないのですが、

明日(というか本日、20日)、ドリフのファッション研究室のシンポジウムにパネリストとして参加させて頂きます。

このchange fashionブログにも寄稿されている蘆田さんや村田明子さんも参加の予定ですし、

たいへん面白い、面白いだけではなく強度のあるセッションになる予感がしています。

その他にもhigh fashionの西谷さんをはじめ日本のファッションシーンのキープレイヤーも参加されます。

お時間のある方はぜひ会場までおでかけくだされば幸いです。

今回のテーマはファッション批評について!

ご来場を心よりお待ちしております。

p.s.

メールでの参加申し込みだったようですので、もしかしたら、ご来場されても満席の可能性もございます。

その際はどうかご了承ください。

以下、ドリフのファッション研究室のウェブサイトより引用です。

(パネリストのプロフィールは元ページをご覧下さい。)

————————————–

「ドリフのファッション研究室」~総集編的・長編シンポジウム!(完全参加型)~

-ファッションの批評を考える-

2月20日(日)@ SNAC

  • そもそも批評は何のためにする/あるのか?
  • 他分野ではどういった方法論での批評がなされているか?
  • それを踏まえるとファッションではどのような批評が可能なのか?
  • ビジネスがメインとされているファッションでの批評は必要なのか?
  • それに対して現場デザイナーはどう考えて実際物作りしているのか?

などについて話すイメージです!


<TIME TABLE>

【PART1】 13:00 – 14:30
蘆田裕史(ファッション論)、大久保俊(ジュエリーデザイナー)、千葉雅也(哲学/表象文化論)、村田明子(スタイリスト、ヴィンテージ(アンティーク)ディーラー)

~休憩~

【PART2】 14:45 – 15:45
西谷真理子(ハイファッションオンライン)、山口壮大(ミキリハッシン)+そのほかゲスト多数。
*【PART1】の4名に加わります。

【PART3】 16:00 – 17:00
*誰でも参加ください 【PART1】+【PART2】+


<入場料>
【PART1】から入場の方:3000円
【PART2】から入場の方:2000円
【PART3】から入場の方:1500円


企画: 篠崎友亮(パレット実行委員会)
企画協力: 山口壮大(ミキリハッシン)
主催: NPO法人ドリフターズ・インターナショナル



SHUN OKUBO限定ショップ/ 伊勢丹新宿本館1F

こんにちは。告知をさせて頂きます。

2月2日から8日まで伊勢丹新宿本館1Fにて期間限定でSHUN OKUBOのジュエリーが登場致します。

今回は新作のクリスタルから削りだしたの“ボタン”のネックレスや、

サファイアの原石のカタチを鋳造したネックレス、ピアスなども都内では初登場致します。

また、今回の目玉は、去年から好評のラフストーンを使ったジュエリーですが、

この期間中はご用意したたくさんの原石(ダイヤモンドクオーツ、スピネル、サファイアetc..)の中から好きな形、色の、他に2つとない原石を選んで頂けます。

ラフストーンをはじめ、ブランドのコンセプトである“野生の思考”を体現したアイテムが伊勢丹新宿店に初登場です。

都市の洗練と、野生の強さと。

ご来場を心よりお待ちしております。

イタリア!というここ数日に、徒然に。

先日、NHK hiのチャンネルをつけたら”世界ふれあい街歩き”という人気ユル番組(けっこうお気に入りの番組w)がやっていたのだけれど、たまたまヘタリア、ではなくイタリア編のダイジェストだったらしく、様々なイタリアの街の風景が映し出されていたのだが、数時間後にはフェリーニの初期の作品である『道』(1954年)が放送されているではないか!NHKもなかなか粋なことをする。大道芸人ザンパノと、ジェルソミーナという女性の物語。ずいぶん前に映画館で観たことがあるんだけど、好きな映画なので結構良く覚えていた。ザンパノ、男くさいの自重!!ジェルソミーナ、不思議ちゃんも大概にしろよっ!!僕はこの映画が大好きです!!

ところで、昨日外苑前の書店On Sundaysにて『イタリア写真の純粋』(パオロ・モレッロ)という写真集を見つけた。またしてもイタリア!パオロ・モレッロ氏が収集した1945-1975あたりの様々な写真が掲載されている。マリオ・ジャコメッリあたりはもともと個人的にも好みの写真家であるが、この本は、寡聞ながら僕が知らなかった様々なフォトグラファーの写真の集積だ。アウグスト・ザンダーを彷彿とさせる人々のポートレイト、大衆の恐ろしい暴力の記録、若き日のアヴェドン、ストリップ嬢とそれにむらがる男たち、ジャコメッリによる情事の写真、現代の写真家が撮るようなアブストラクトな作品、、など本当にさまざまな被写体やジャンルの写真が並ぶ。この時代のイタリアの写真家たちの豊かなアイデア。そして、タフな時代の記憶。ということで、ここ数日は何かイタリアにちょっかいを出されているような(ほとんどNHKのせいだけど)、不思議な気分の中にいます。そういえば、『ラストエンペラー』などで知られるベルトルッチ監督は若い頃はパゾリーニの助監督だったというのを知ったときはトリハダものでした。そもそもパゾリーニは映画に関してあんまり知識がなくて、映画を勉強していたベルトルッチが、「監督、こういうシーンを撮るときはこういうレールを敷いてカメラを動かしry」というやりとりをしていたらしい(笑)そういえば、『欲望』のアントニオーニ監督もなくなって5年くらい経つのか。今年はあまり詳しくないイタリアのディープなところにダイブしてみたい、と年始早々思うのでした。

p.s.それにしても最近本の紹介ばかりになってしまっているけれど!小さいことは気にしない!

a flower is not a flower

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます!

さて、先日はmatohuさんの展示のオープニングにお友達に誘って頂き行って来たのですが、

high fashionの西谷さん、ファッション通信の板垣さんなどなど、たくさんの方にお会いできてご挨拶ができてなんだかお正月気分で皆さんにお会いできて嬉しいひとときでした。somartaの廣川さんにもはじめてお目にかかれました!

1月の初旬というのはなんだかmatohuさんの服にもすごく会っている感じがしてよかったんじゃないかなと思ったり。

さてさて、年が明けて特に大きなイベントもなかったのですが、一昨日くらいにtwitterで中上健次について僕宛にツイートをくれた方がいました。僕のたわいのない“中上健次”という呟きに反応してくださってなんだか嬉しかったです。

中上健次だなんて、近年はあまり語られないで僕も懐かしい気分になってしまったのです。

坂本龍一さんの『a flower is not a flower』という曲があるのですが、この曲は青山真治さんが撮った中上健次についてのドキュメンタリー『路地へ』(2000年、青山真治)の挿入曲として使われています。つい最近この曲を耳にして不意に中上健次を思い出したのでした。

僕が20歳前後の頃は、浅田彰さん、柄谷行人さん、などにとても引っ張られていた時期で、そこで中上健次のことも知りました。

というか、10代の頃に坂本龍一さんのファンになって、彼の書籍やインタビュー等を漁っているうちに浅田さんや柄谷さんのことも知って、という感じで僕は本を読むようになったのでした。

EV.cafe』(村上龍、坂本龍一 著、講談社文庫)という対談や鼎談方式の本が当時あったのですが、そこに中上氏も鼎談で登場したのが彼を知るきっかけでした。

坂本さんは、中上健次の小説を映画にしたい、撮るならモノクロームの重くメタリックな質感の映像にしたい、と語っていたと記憶していますが、まさに中上健次の小説は重く、官能的で。。なんというか粘り越しがあるというかw個人的に好きだったのは『千年の愉楽』(河出文庫)という話でしたが、興味のありそうな方は是非いろいろご覧になってみてください。

ところで、今日散歩から帰ってくると坂本龍一さんのソウルで行われたライブがUSTで生放送されておりついつい観てしまいました。アンコールで MC Sniperという韓国人のラッパーとの曲を演奏したのですが、今日、北朝鮮との問題で最も政治的な都市の一つであるソウルでのライブで、この曲は素晴らしかった。非常に強く、響きました。以下、undercooledの韓国語のリリックを日本語訳したものを添付します。ファッションも含め、芸術でシュプレヒコールを掲げる、ということはその本質とは違うと僕は思います。『ゲルニカ』だって反戦の絵ではありません。ただ、時には例外もある、ラップっていうのはその出自が政治的であるからかもしれませんが、不思議と成立する場合もあるんだ、と再確認させられました。心の中で叫ぶ歌、キミの耳まで届くように、国境や壁を突きぬけてキミに届くように。

undercooled

Ryuichi Sakamoto

(Lyrics/MC sniper)

空虚な胸には銃声だけが響く

風は悲嘆にくれ、大地は揺れる
オレはまだここにいるのに、キミの姿はない
歌を忘れたカナリアと憂鬱な日々があるだけ
こぼれ落ちるキミの涙は
世の中を冷たく濡らす
人間の欲望をゆれる車輪にのせる
過ぎ去る季節と共に
限界の怒りの中で安らぎの羽を探す
そして俺は
閉ざされた窓を開けた
月光がすべてを溶かすように
色あせた夕陽で肌も信仰も焼いてしまえるように
深い悲しみを花びらに閉じ込めて
香りにして流そう 香りにして流しちゃおう

教えてくれよ、オレに  尊厳も人権も踏みにじられて
オレたちの自由はどこにあるのか、 教えてくれ

「自爆テロ」をどうやって防ぐの?
ただテロリストを殺しただけで
どんな幸せが手に入るというの?
飢餓で苦しみ、うなる老婆が運ばれてゆく
不安と危険、恐怖の中で
引きはなされてゆくオレとキミ
心の中で叫ぶ歌  キミの耳まで届くように
国境や壁を突きぬけてキミに届くように

ジブリ美術館の神隠し


ついに行ってきました、ジブリ美術館

美術館は東京の吉祥寺と三鷹の間くらいの場所、井の頭公園の端っこにポツンとあります。

この辺は実は地元で、子供の頃からよく井の頭公園には来ていましたし、

ジブリ美術館は開館した頃からよく通っていたし、知っていたのですが、なぜか今まで来ていなかった。

おそらく“予約制”というのが鬱陶しくてなかなかその気にならなかったのだと思います。

宮崎駿さん(以下、宮さん)はこの美術館にはぶらっと立ち寄って欲しい、たまたま通りかかって何だろう?と思って入って来てほしい、

そう考えていらっしゃったそうですが、非常に混雑した場合のことを考慮して予約制にしたらしいです。

混雑の緩和、という意味でジブリとしてはもちろん妥当な選択だったんだと思いますが、他方、平日等もし人が来ないという状況が発生するという場合を考えると、予約制とすることで人が入らないような時間にも確実に人を来させるという意味では素晴らしいアイデアだという評価もあるそうです(Podcast 「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」参照)。僕もそれにはなるほど!っと手を叩きましたが、宮さんも鈴木プロデューサー(以下、鈴木P)も当初そんなことは全く考えておられなかったとか。

さてさて、兎にも角にも初めてのジブリ美術館、堪能してまいりました。

外観的にはちょっと怪しいちっちゃい砦?お城?家?よく分からない感じなのですが、植物に覆われ暗く、鬱蒼としています。

屋上には『ラピュタ』に登場した巨大なロボット兵が。屋上はラピュタをイメージしたんでしょうね。

しかし内部は『耳をすませば』にでてきた“地球屋”のような薄暗いイメージ。

その中にミニシアターがあったり、ジブリ映画の資料があったり、宮さんの仕事場のような部屋があったりかなり盛りだくさん。

ちなみにキャッチフレーズは「迷子になろうよ、いっしょに。」らしいです。たしかに非常にわかりづらい間取りですし、変な階段はあるわ、低い通路はあるわw動線は無茶苦茶なのですが、楽しくなります。建築家のコールハースがパリのレアールの改築案(コンペでは負けましたが)で示したような、動線をカオスにして人の動き(生活?)を豊かにする、というようなことが思い出されました。

さて、実際内部に入ったとき、はじめはお台場のショッピングモールのような、ちょっと失礼かもしれませんが安っぽい内装だな、

と思ったのですが、それがだんだん気にならなくなるというか、むしろリアルで、居心地がよくなってくるから不思議です。

この場合の“リアル”というのは。。そうですね、言うなれば『千と千尋~』の冒頭で主人公の千尋と両親がモルタル製のアミューズメントパークの建物の残骸に入ったときのような。劇中ではその残骸が不思議世界への入り口だったのですが、

このジブリ美術館という建物も同様にまさにそのような機能をもっているかのように、このショッピングモールのような生々しい現実世界の建物がジブリという摩訶不思議な空間へと来場者をいざなうのです。

これは非常に面白い現象で、単にテーマパークやアミューズメントパークに行って非日常を体感するのとは訳が違います。

いま、ここにある世界、朝起きて学校に行く、会社に行く、電車に乗る、公園へ行く、遊園地へ行く、そのような平凡な日常が断絶されること無く不思議な世界へと移行するのです。日常のリアルな世界と繋がっている、つまり不思議世界がスムーズにリアル世界に取って代わられるというメタリアルな世界。

先ほど、心地よい、と書きましたが、これってある意味怖いですよね。自分の世界の構造が静かに、そして自然に変化するのですから!まさに自分自身が神隠しにあった気分です。ポイントとして、三鷹の森、という何の特別なことのない場所だからこそこのような現象が起きるのでしょう。

と、いうことで、僕の感動した部分はその点に尽きます。(あと、やっぱり宮さんのアトリエをイメージしたような部屋は最高に良かった!)美術館内のレビューまで書くと長くなってしまうので、とりあえずそのへんは省きます。ちなみにここでしか見れない美術館のオリジナル映画は今回は『パン種とタマゴ姫』でした。ドキドキワクワクの20分間!素敵でしたよ〜。

ところで、美術館を出る頃には真っ暗になっていて、ジブリ美術館と三鷹の森、井の頭公園との区別がつかなくなっていました。

空はインディゴブルー、星はきらめき、街頭の光は頼りない、森は黒くお化けが出そう。美術館の外も、美術館と同様の世界になってしまいました。

非常に奇妙なこの感覚は、いせや(吉祥寺で有名な焼き鳥屋)に行ってもは消えず、駅まで着いたときにやっといつもの日常を取り戻した気分になりました。ただ、いまだに、神隠しにあっている空気は完全に消えてないように感じます。。この神隠しの感覚、ずっとなくさずにいたいです。

ベガ、ここ、聖域。

今日は吉祥寺の銭湯で行われたキセルのライブに行ってきました。

僕の大好きな「方舟」「ベガ」「くちなしの丘」などを熱唱。

年末のちょっと寂しく暖かい休日に、ちょっと寂しく暖かい歌声(と銭湯という町の雰囲気)に包まれ楽しいひと時。

ところで、先週は”ここのがっこう”に突発的に伺ったのですが、

生徒の皆さんと接するのは自分でも気づかされることが多く、たいへん実りあるものでした。

勝手ながら、またいつかお邪魔させてもらおうと密かに思っていますw

よし君、健太郎君、スタッフの皆さん、ありがとうございました。

また、編集者の後藤繁雄さん主宰のスーパースクールにも唐突にお邪魔してhigh FASHIONの西谷さんにもお会いできました。

こないだchange fashionのこのブログで紹介したザハ・ハディドの本を読んでくださったというお話をお聞きし嬉しかったです。

西谷さんは非常に視野の広い方なので、またお会いしてお話するのが楽しみです!

ところで、昨日はICCにて渋谷慶一郎さんとevalaさんのインスタレーションも堪能してきました。

暗闇の無響音室の中で放たれる音の礫、閃光。

そこは外部の音が入ってこないだけではなく、美と身体と思考が完全に外界からシャットアウトされた空間、

というように感じられました。ある意味、人工的につくられた芸術の聖域。

2月までやっていらっしゃるそうなので、ぜひ体感されることをお勧めします。

ではでは今日はこのあたりで。キセルの「ベガ」を聴きながらおやすみなさい。

New Jewelry

こんばんは。

今日は告知をさせて頂きます。

12月4日(土)、5日(日)、Hotel CLASKA 8Fにて行われるNEW JEWELRYという展示会に参加致します。

今回は恵比寿のギャラリードゥーポワソンなどが中心に企画した展示会で、かなり厳選されたジュエリー作家が参加しています。

ただ単にラグジュアリーな装飾品でもなく、単にアートでもない、あたらしいジュエリーの世界観をぜひ直に見に来て下さい。

展示即売会という方式を採っていますので、在庫があるものに関してはその場でお買い求め頂けます。

僕もいくつか未発表の新しいアイテムを展示致しますし、会場にいきます。

DEUX POISSONSの森さんとは、新しいジュエリーの可能性についてよく話をしていますが、

この展示会で、なにかを感じ取って頂ければ幸いです。

皆様のお越しをお待ちしております。

ところで、明日の23時からのファッション通信(TV)で僕のインタビューや展示会の様子がオンエアーされる予定です。

BSなのですが、テレビでの初インタビューなのでもしお時間のある方はぜひご覧頂ければ幸いです。モードとは何か、ファション通信からのインタビューです。どのくらいの尺で使われるか分かりませんがw

日曜日は再放送もありますのでぜひ。

CLASKA
〒152-0001 東京都目黒区中央町 1-3-18 Tel: 03.3719.8121

東急東横線 学芸大学駅東口より徒歩10分
JR山手線 目黒駅西口より東急バス「清水」下車徒歩1分(黒01大岡山小学校行き)

4日 11:0-20:00

5日 11:00-19:00

宮崎駿の言う「半径三メートル」よりずっと近くに、だ。

これは「国際哲学コレージュ」(Collège International de Philosophie)のドキュメンタリーの予告編である。

「コレージュにおいて、哲学は他の学問分野に耳を傾け続ける」(抜粋)

久々にこの映像を見たら、何か大切なことを思い出した気がした。

衣服がいつも我々と共にあるように、思考する場もいつも我々と共にある、

宮崎駿の言う「半径三メートル」よりずっと近くに、だ。

遠ざけるより、ダイブしたほうが我々の文化はきっと豊かになる。

日本語字幕

英語字幕

韓国語字幕