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SHUN OKUBO

SHUN OKUBO / 大久保 俊

エスモード東京校で学んだ後、2002年パリに渡りステュディオ・ベルソーに入学。同校卒業後ROBERT NORMAND,BALENCIAGA,HAIDER ACKERMANN等のメゾンで経験を重ねる。2007年、ジュエリーブランドSHUN OKUBO&ASSOCIATESを立ち上げる。2009年、株式会社SHUN OKUBO&ASSOCIATESを設立。
SHUN OKUBOデザイナー。オンワードBEIGE,ジュエリーデザイナー。

Official HP: www.shunokubo.com
Facebook: http://www.facebook.com/pages/Shun-Okubo/388696241209283
Twitter: http://twitter.com/SHUN_OKUBO

ガイコツ先生と未来について考える

From the Dance of Death by Michael Wolgemut (1493)

メメント・モリ、という有名な言葉があります。

ラテン語で”自分がいつか死ぬということを忘れるな”という警告を込めた意味だそうです。

僕が初めてこの言葉を知ったのは藤原新也さんの『メメント・モリ』を読んだときだったと思います。

当時、日本語でキャッチコピーのように流行していたのはそれを意訳した”死を想え”という言葉でした。

死が現代よりも身近にあった古代戦乱の世の中で“自分がいつか死ぬということを忘れるな”というのも、あたりまえなような気がしてしまいますが(「死を想え?うるせーな、そんなの十分わかってるおっ!」という感じ?)、

嘘か真か、そもそもは“いつかは、というか明日、我々は死んでしまうんだから楽しく今日を生きようぜ”というような意味合いで使われていたそうです。

さて、そこで、宝飾品で有名なのがメメント・モリリングですね。
これは古来からメメント・モリという言葉と共に人々が身に着けたものだと言われています。

現代でもスカルリングは非常にポピュラーですが、実はその歴史は大変古いものです。

ところで先程毎日jpで見つけたのですが、赤い顔料でシカの描かれた日本最古の土器が出土したそうです。(←リンク)

よくよく写真を見てみると、これはこれは、とても可愛い赤い鹿が土器に並んでいます。

しかも見方によっては今の時代でも普通にありそうな、かなりモダンなイラストで驚きました。

祭事に使ったものかも、と記事には書かれていましたが、それはさておき2000年以上前の作品(just 祭事器?)が、

現代の僕たちに感動を与えるというのはやはり素晴らしい。美術館や博物館などで古美術を見るときもいつも感じます。

そこでふと思うのが、僕たちがいま作っているものが、例えば数百年後残って未来の人々に何かを与えられるか?ということ。

まあそれは難しくても、例えばこのBlogのログが200年後くらい後も広大なネットのどこかに残っていて、見てもらうことができるかもしれない、何かを感じてもらうことができるかもしれない。

これはM.I.T.の石井裕教授(Youtube, a speech for Stanford Uni.)が言っていたことにも似てるのですが、ちょっと冗談のような、でもぜんぜんリアルな、そんなことを考えると一瞬ですが壮大な気持ちになったりしてしまいます。

現代に生きてモノを作っている僕たちは、もしくは全ての表現者は、“メメント・モリ”という言葉を“自分が死ぬってことを忘れるな”というよりも、むしろ“自分の死後の世界を考えろ”という意味合いで使うのも悪くないのではないか。”死を想え but also think about Future!!!”

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