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サッカーロンドン五輪代表関塚ジャパン メキシコ戦詳細分析

サッカーロンドン五輪代表の関塚ジャパン、アジア大会からその活動を追って来た当ブログですが、いよいよ本番まで残すところは、このメキシコ戦だけとなりました。

メキシコは、先日行われたトゥーロン国際大会の覇者であり、2011年のU20ワールドカップで3位に入るなど、この世代最強の一角です。

また、近年メキシコは、2005年と2011年のU17ワールドカップで優勝しており、若年層では世界最強のチームの一つと呼んでも良いと思います。

初戦で当たるスペイン対策として、願ってもない強豪チームとの対戦となりました。

先発は

     永井
宇佐美  東   清武
  山口    扇原
徳永 吉田 鈴木 酒井宏
     権田

明らかなスペイン対策のメンバー、カウンター重視のワントップ永井です。

左サイドは、攻撃に持ち味のある酒井高ではなく、守備に安定感のあるオーバーエイジの徳永

トップ下は、守備を重視して東にしてきました。

試合開始早々、清武が高い位置で相手ボールをカット、ドリブルで持ち上がり、右に居た永井にパス。
永井が持ち前のスピードでぶっちぎり、ファーに詰めた東が押し込んで、あっさりと先制点を奪った。

このコンビネーションは素晴らしいものでした。

おそらく、本番もこういうゴールの可能性が一番高いでしょう。

スペインがこんなミスをするはずが無いと思われる方も居るかと思うが、日本のU23代表は、かつてこういうシーンを何度となく繰り返してきたのである。
これは偶然ではないと思う。

これが、ボールハンティングからゴールハンティングを行うということなのだ。

そういう意味で、この大会、何度となく永井選手が世界を驚かせることになると思う。

この1点が入ったことで、日本は明白なカウンター狙いになった。
前半のボール保持率は、メキシコ65%に対し日本35%

ボールを支配され過ぎだと考える方もおられると思うが、これは設定通りなだと思う。

7割ボールを支配されていても、特に問題は無いのだ。

事実、ボールを保持されてはいたが、決定的な場面の数では、メキシコよりも日本の方が多かったはずである。

では、なぜ決めきれなかったのか。

そこのところを、当ブログはちょっと追求してみたいと思います。

今回のノッティンガムの芝は、ボールが止まりやすい傾向にあります。
これは、ロングボールのカウンターが効きやすいということでもあるわけです。

英国のサッカーが長らくロングボール+馬力勝負だったのは、この芝の特性と深い関わりがあるわけです。

なので、永井選手のスピードを活かしたアタックというのは、効き目が抜群であると当ブログは思います。

この試合、何度か永井選手に一発の縦のボールが入り、キーパーと1対1になりそうな場面がありました。

しかし、ことごとくキーパーに阻まれました。

これは、メキシコのキーパーが、永井のスピードを警戒して、高めのポジションを取り、ディフェンダーとゴールの間のケアをしていたためでした。

おそらく、この試合を見ていたスペインの監督は、同じ方法を採用すると思います。

なので、次戦は工夫が必要です。

この試合、左サイドの宇佐美が全く活躍出来ませんでした。

これは、宇佐美が守備にがんばっていたからです。
宇佐美が、関塚ジャパンの左サイドの守備のタスクをしっかりこなしていたために、宇佐美が守備にがんばって低い位置に居たために、宇佐美の良さが全く出なかったわけです。

で、攻撃は、主に、東+永井+清武の、先取点を取った3人での攻撃になりました。

これは、吉田の話では、相手の左サイドバックに穴があるために、右肩上がりの攻撃になったため。
ということのようです。

ですが、当ブログが思うのは、選手の特徴をより発揮出来るカタチは、清武が比較的低い位置。

清武は、攻守の切り替えが早く、低い位置からカウンターを決めることが出来るタイプの選手です。

東も中盤から後ろに下がって守備しても大丈夫な選手であり、そこから押し上げることが出来る選手です。
そして、ゴール前に飛び込むのが得意な選手です。

そして、宇佐美は、低い位置に居るとあまり役に立ちませんが、高い位置に居れば、ボールを収めることが出来、高い精度のパスも出せ、裏へ抜けるスピードもあり、ドリブルも出来、また極めて高い決定力を持っているわけです。

イメージとしては、スピードのあるデルピエロと思っていただけると良いと思います。

もしくは、パトです。

デルピエロやパトがディフェンスラインの近くに居ては、相手の脅威にならないでしょう。

ですから、ディフェンスラインからのボールに対し、永井と宇佐美の2つの基点が出来れば、相手のディフェンスやゴールキーパーも対応が極めて難しくなります。

こうすれば、宇佐美に対応しなければならなくなるので、キーパーが高い位置を取ることが難しくなってくるはずです。

つまり、永井のスピードが生きるようになるわけです。

      永井
  宇佐美   
清武 山口 扇原 東
徳永 吉田 鈴木 酒井宏
     権田

このカタチの方が、よりカウンターが機能すると思います。

ですから、1−0にした後は、この布陣がベターだったというのが、当ブログの見解です。

相手の攻撃力を利用して点を取るということなんです。
メキシコもスペインも総合力からいったら、日本よりも明らかに強いでしょう。
でも、弱いからこそ強いということもあるのです。

今回の関塚ジャパンは、弱さ故の強さを発揮出来る選手が多いです。

日本は、日本の弱さを充分活かすべきだと思います。

吉田が、ポストタイプの選手が居なかったのできつかったという事を言っていましたが、おそらく、宇佐美が高い位置に居れば、この悩みは解決されたと思います。

さて、日本がチャンスを逃しているうちに、メキシコのスーパーゴールが決まり、前半は1−1

後半は、宇佐美に変えて斎藤を入れてきます。

それでも状況としては、あまり変わらなかったと思います。

状況が変わったのは、永井に変えて大津を入れてからですね。

これは、カウンター狙いというより、ある程度パスを回して崩していこうという選択になったためでしょう。

そして、扇原に変えて山村を入れてから、徳永に変えて酒井高

これは、山村をアンカー的に考えて、両サイドバックを上げる意図でしょう。

ただ、気になったのは、日本がコーナーキックを蹴った時のこぼれ球に対する斎藤の守備です。

これが甘過ぎました。
日本はカウンターで決定的なピンチを迎えます。

で、これは、日本代表の長谷部選手をお手本にして修正してほしいと思います。

この、相手の出足を潰す守備に関しては、山口蛍選手が適任なので、日本のコーナキックの際のカウンター対策に関して、もう一度見直してほしいという風に思います。

これは、幸い点が入らなかったですが、ほぼ1点というシーンでした。

そして、日本は東に変えて杉本を入れ、勝負に出ます。

メキシコには明白な弱点があります。
それは、高さが足りないことです。

高さ不足のため、若年層では世界のトップでも、A代表になるとベスト16止まりなのです。

その弱点を突く最大の答えが、この杉本の投入でした。
名古屋グランパスっぽい布陣ですね。

     杉本
斎藤   大津   清武
  山口    山村
酒井高 吉田 鈴木 酒井宏
     権田

案の定、相手ディフェンダーは杉本の高さに競り負け、こぼれ球を大津が豪快にボレー。

日本は思った通りの戦略で勝ち切りました。

この試合、勝ち負けというより、最大の収穫は、ディフェンスのコンビネーションを確認出来たことですね。

それは、相手が強かったから出来たことです。
メキシコは韓国と当たるため、日本を仮想韓国とした真剣なテストをしてくれました。これは、本当に良かったです。
日本は、スペインと似たタイプのメキシコと相手が出来たわけで、おかげで、様々なことが実感として理解出来たたと思います。

そして鈴木+吉田のセンターバックで、いけそうな感じはしてきました。

やはり、五輪を経験した吉田と徳永の経験値は、存分に活かされていると思います。

おそらく、スペイン戦のディフェンスラインは、今回と同じ、徳永、吉田、鈴木、酒井宏というカタチになると思います。

関塚ジャパンの健闘を期待しております。

text by

contemporary creation+
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