Fashion Show

NOZOMI ISHIGURO

NOZOMI ISHIGURO haute couture 2011-12 A/W Collection “As Tears Go By” のランウェイショーがラフォーレ原宿で開催された。

“It is the evening of the day, I sit and watch the children play. Smiling faces I can see But not for me, I sit and watch as tears go by. My riches can’t buy everything, I want to hear the children sing. All I hear is the sound Of rain falling on the ground, I sit and watch as tears go by. It is the evening of the day, I sit and watch the children play. Doing things I used to do They think are new, I sit and watch as tears go by. Hmm, hmm, hmm, hmm, hmm….”

Marianne Faithfull / album:Strange Weather / Lyrics&Music:Mick Jagger & Kieth Richards

“夕暮れ時にすわりこんで こどもたちが遊んでいるのを眺めている わたしには関係ないけれど 無邪気な笑顔がいっぱい それを眺めていたら 涙がでてきた お金があるからって なんでも買えるわけじゃない ただこどもたちのうたを 聴いていたいだけなのに 聴こえてくるのは たたきつける雨音だけ しゃがみこんでただ 涙がとまらない 夕暮れ時にすわりこんで こどもたちが遊んでいるのを眺めている わたしが今までしてきたことも こどもたちには初めてのこと しゃがみこんで眺めていると 涙があふれてくる”

震災前に創り始めたときは、どこにもない国のどこにもいない人々というのが今回のコンセプトだった。3月11日を迎え、縫製工場やニット工場などが被災地にあったため、停電の中でミシンなどが使えないという状況。そんななかでも工場の方が裁断、縫製されて、道路が復旧してからやっと届いた洋服。そういう状況で、どこにもないというコンセプトが言えなくなってしまい、今回のテーマに変更をした。 “自分は子供達の歌声を聴いていたい ” それが今回の洋服のコンセプト。これは “As Tears Go By” とつながっている。

被災された縫製工場の方から縫えるわけがないと言われたそう。だが電気がない状況でも最後には洋服を仕上げてくれ、自分にはそれを発表する義務があるという強い想いがこもった今回のファッションショー。

多用されていたフェイクファーや英単語の総柄プリントなど、始めのコンセプトであるどこにもない国のイメージからきている。だが半分ほどは、震災後にデザインを起こしたもの。非常時などを象徴する赤がキーカラーになっていたり、震災の影響を感じさせるものもみられる。

Photo:Koji Shimamura Text:Atsushi Fujii

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