HISUI

HISUI 2011-12 A/W Collection “natural dimension” のランウェイショーが、六本木アカデミーヒルズで開催された。

“日々の時間の経過を表す月の満ち欠け 月によって雲のような心のモヤモヤが引き寄せられる そして悲しみが雨になり大地にしみ込んでいく 太陽は大地に降り注ぎ悲しみを蒸発させ全てを忘れさせてくれる”

デザイナーは、伊藤弘子。全28ルック。
太陽、月、雲、土の4つの自然の要素で、コレクションを創り上げた。あるときは太陽のような明るい気分に、あるときは柔らかい雲につつまれたような、あるときは月のようにクールに、あるときは土の古っぽいイメージのものを、よりわかりやすく楽しさのある表現をしたという。温かみのある有機的な素材感、カラーリング、窮屈さを感じさせない洋服達。ラスト5体は、メッセージ性の強いショーピース。デザイナー、スタッフ達がランウェイ上に出て、その場でスタイリングをした。

月が欠けていく様子になぞらえ、パーツを外していったり、ネックホールだけがあいたビッグニットは太陽にくるまれるイメージ。最後のルックは、日本地図に原子力発電所の場所、そして50km圏内の同心円が描かれた生地を使用したもの。

布のままだと二面体だが、着せつけていくことで三面体に変わりゆく過程を見せるというところにこだわり、このような発表となった。震災の影響がある中、ファッションショーを開催したことについて、「ファッションショーで自分の言いたいことを表現したい、そしてより人に伝わりやすい方法をとった」と語ったデザイナー。

Photo:Yukako Tomita Text:Atsushi Fujii

Comments are closed.