Fashion Show

Yasutoshi Ezumi

Yasutoshi Ezumi今季のテーマは“Architectonic”;構造上の、構成的な、建築術の
構造において服を構成する基軸と建築を構成する基軸は異なっている。地面を基軸に構成する建築に対して、人体を基軸にする“服”という構造物

これまでロジックに着目してテーマを描いてきたが今回は構造に興味を持つことから始まり建築、特にコルビュジェの作品である“ロンシャンの礼拝堂”から着想を得たという。

建築のリサーチを行う上で最も着目したのが2つの要素。一つはモダニズム建築デザインに基づく機能性、合理性を重視した表現、直線を生かした空間構成。
そしてもう一つはル・コルビュジェの作品である、モダニズム建築からさらに新しい可能性を追求した「ロンシャンの礼拝堂」。コルビュジェのモダニズムに対する逆説的な建築技法を具現していた、有機的な要素を取り入れ構造に柔らかさを与えた線が今季の大きなインスピレーションとなっている。
これらの構造の理から導き出された色、形、質感で構成するのが今季のコレクションである。直線と曲線の構造、人体と布との間の空間、建築的な配色がもたらした色彩、服という構造物への可能性の追求。

コルビュジェの作品に見られる有機的なラインの取り入れ方、軽い屋根を重く見せて、重い壁を軽く見せる、そういうコンセプトや構造の面白さを服の中のタックや生地の切り替えに落とし込む。シンプルでありながらも生地の切り替えやテクニックで表現。カラーパレットはイエロー、グリーン、マゼンタ、ブルーの4色をモノトーンの中に加えている。

チャンキーヒールを採用した靴はまるで独立しているように見えるヒールが特徴的。サイドから見るとブーツのようにも見え建築をイメージさせる。軽くて堅いクリスピーな感じの質感、春夏でも使えるレザーということでシューズもバッグもジャケットもすべてビッグスキンを使用している。

「今まで自分で作っていく中で男性的な考えが強かったので女性的な考えが必要と感じる部分があった」とデザイナーの江角氏。今回はデザインの段階から女性のMDと一緒に考えることにより、より女性らしく、モダンでありながらも着やすい、それでいてデザインがしっかりはいっているコレクションに仕上がった。


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