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malamute

今季のテーマは”souvenir”、アイルランド人作家ジョナサン・スウィフトの奇妙な文化への旅行記が書かれた「ガリヴァー旅行記 」から着想を得たコレクション。
「ガリヴァー旅行記 」は現実にありもしない国々に漂流し、その文化を体験する、全四編で構成される旅行記。ガリヴァーの不思議な国々での体験は、サーカスのような曲芸やマジックを見たあとの怪しい不思議な体験に似ている。この旅行記で、唯一実在する国が日本である。
当時、日本は鎖国状態にあり、ヨーロッパ人には、日本はまだ「想像の国」だった。ヨーロッパの小説で初めて日本が取り上げられたのは、このガリヴァー旅行記であるとも言われている。
奇妙な文化への旅行記で描かれた、「想像の国」だった頃の日本へ旅行し帰ってくる体験をテーマに「souvenir」とした。
 
記憶というぼんやりとしたイメージの旅行記を紐解くように、視覚的にも、触覚的にも立体感のあるふんわりとしたニットを展開。特に、技法や二次加工にこだわり、ハンドプリーツや柔らかく縮絨したトリートメント加工を施した。
  
メインのルックで使用したモール糸を用いた花の立体的なジャカードニットは山茶花(さざんか)をモチーフにしている。
3色のウール糸を使用し、ランダムボーダーが湾曲したデザインの繊細なテーパー付きプリーツスカートや、立体的に帯状のものを編み続きで構成していく技法を活かし、たくさんのリボンをあしらったカーディガンやストールを展開し。また、縮絨をし、さらにふんわりと軽く仕上げる加工を施したベストや、点描で描かれた再織という技法のオリジナルシェニール生地をつくり、旅行記から漂う幻想感を表現した。


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