RBTXCOが2016年に対峙しようと思い、テーマに掲げたのは「CROWD =群れ」。グローバルが進み、SNSを通じて世界のダレとでも繋がれる今。群れ感とは何なのか?そのことを常に考えながらコレクションを進めてきた。
第一章(2016SS)では、フォーカスのあて方で「群れ」の規模感が自在に変わるという多面性を表現した。第二章(2016SA)では、「群れ」において役割があると言うことの必要性を問いた。
そして、最終話となる第三章(2016AW)の今回。RBTXCOの辿り着いたメッセージは「NO CROWD=群れるな」。
人間の脳は猿人の脳の大きさとほとんど変わりません。
ボク等の想像力は猿人の頃の彼らとさほど変わらないのです。
黒板を引っかいた時の音がキライなのは、天敵だったヒョウの威嚇の時の声に似ているからです。
鳥肌がたつのもカラダに毛が生えていた時の名残です。子どもを可愛いと思うのもそのむかしから変わらない本能なんだと思います。
人間は様々なことを外注に出すことで発展してきました。自分たちの内面構造はほとんど変えず
効率のいい手段を外注で済ませられるように工夫して来たのです。
速く走れる構造を持つかわりに、馬にのり、車を生み出し、今では飛行機に乗ります。
遠くの人とコミュニケーションをとる能力のかわりに(クジラは2万kmはなれた仲間とコミュニケーションできるそうです)電話を開発しました。
自分の知識を内需するかわりに、本やコンピューターを作りました。
今や、健康もお天気も、その日のご飯の料理方法も外注に頼って生きてます。
人は、どこまでも様々なものを外注に出していくことでコロニーを維持することを選択しています。
ただ、人間の脳はあの頃からほとんど変わっていません。想像力はどこまでも猿人のレベルなのです。
世界の裏側で誰かが苦しんでいることにボク等は感情移入できない。
ボク等が「群れ」に頼って生きる以上”自分の想像の範囲の群れを持つこと”が平穏ではないかと思ったのです。
外注を使わない群れ感の最たるものは「家族」です。血のつながりは関係ありません。
思い巡らした時。一番内側の存在とつながっていると感じることの大切さをRBTXCOはメッセージにしました。
「もっとも想像のしやすい小さな群れを持ち、想像の及ばな大きな群れから離れてるコトの出来るようにする」
まずは家の中で家事をすること。その日あった出来事で笑い合うこと。離れたところで生活している家族を思い出すこと。
家族の中だけで通じる冗談を言うこと。より好きになってもらう為にサプライズを準備すること。美味しいものを一緒に食べること。
世界がつながり、広がり便利になればなるほど、
一人一人の日々が寛容でおおらかで安らぎの中にありますように。