divkaは新しい服を、そして美しい服を作ることを目指している。新しいものや美しいものには人を感動させ、触発する力があると信じている。そのような服を作り出すために、divkaはそれぞれのコレクションにおいて実験的な試みを行ってきた。
11回目となる今回のコレクションは、これまでのdivkaの仕事を顧みるところから始まった。服作りの約束事を疑い、それらを意図的にずらすことで多少なりとも新しい服が作れるのではないか、という発想によって服作りを行ってきた。divkaの服作りの根底にあるのはそのような発想である。しかし、そのような姿勢が、divkaの服作りの幅を限定してしまっていたことも確かなことである。
一つのイメージへと収斂していくdivkaの服作りを、強度を落とすことなく、その外部へと開いていくことは可能だろうか。“to whom”と題された今回のコレクションは、その問いに対する一つの試みとなる。過去のコレクションにおいて目を向けていなかったフォルムや素材、そして色彩について服作りの選択肢としてもう一度吟味してみようと考えた。