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HIROSHI ASHIDA

蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida

1978年、京都生まれ。 京都大学大学院博士課程研究指導認定退学。
日本学術振興会特別研究員PD、京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターを経て、京都精華大学ファッションコース専任講師。
ファッションの批評誌『vanitas』編集委員、ファッションのギャラリー「gallery 110」運営メンバー、服と本の店「コトバトフク」運営メンバー。

e-mail: ashidahiroshi ★ gmail.com(★を@に)
twitter: @ihsorihadihsa

『vanitas』の情報は↓
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ジンメル、流行、1911年

“ある品物が急速な流行の交替に屈服するにつれて、同種の品物の「安い」生産の必要が強くなる。たんに、広範な範囲の、したがってどちらかといえば貧しい人びとが、工業を彼らにかたどって規定するだけの購買力をもち、すくなくとも現代的なものの堅牢でない外観をもつ対象物だけを要求するからというばかりではなく、社会の上層すら、もしその物品が比較的安くなければ、下層の追迫によって彼らに強要される急速な流行の交替をなしえないからである。こうしてここにある奇妙な円環が成立する。流行が急速に交替するにつれて、物はいっそう安くならねばならず、物が安くなるにつれて、それはいっそう急速な流行の交替へと消費者を招き生産者を駆り立てるのである。”

ゲオルク・ジンメル『文化の哲学』1911年

(『ジンメル著作集7』円子修平他訳、白水社、1976年、57頁)

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