こんにちは。水野大二郎と申します。
本日からここ、changefashion.netでブログを書かせて頂くことになりました。
どうぞ宜しくお願い致します。
最初に何を書くべきか思案してみたのですが、
とりあえず自己紹介からするのがいいかなと思いました。
僕は東京で高校まで過ごして、その後ロンドンへ留学をし、大学、大学院、博士課程と
ずっとロンドンでファッションデザインを専攻していました。
その間、Shelley Foxというデザイナー(現在、パーソンズの大学院で教えていらっしゃるそうです)
の元、非常勤のデザインアシスタントをしていました。
ファッションのことを勉強しにロンドンにいったのですが、なぜか最初1年間だけ美術基礎コース、
しかもその実体は建築学科の0年生扱いということで、基本的に最初に学んだことは建築でした。
そこで建築家を目指す友人や、美術作家を目指す友人と知り合うことになったことは
幸運だったのでしょう。もろもろあって大学を卒業し、ロイヤルカレッジオブアート(RCA)という
学校に進学することにしました。
それが1997−2001年の話です。
そして大学と大学院に在学しながら、最初は下働きからでしたが
ずっとShelley Foxのところで非常勤のデザインアシスタントをしていました。
Shelley Foxについての詳細は:
Caroline Evans 『The Englishness of English Dress』
Judith Clark 『Spectre』
などを見て頂けたらと思いますが、僕にはとても刺激的なデザインの在り方でした。
それが1999−2003年の話です。
デザインプロセスを何もない状態からコレクションに至るまで、ずっと横について
デザインのアイデア出しをする中で、
どうやってデザイナーがプロセスをまとめあげるのか?
なぜ、AとBの要素を足すとEやLなど、途方もないものになるのか?
何を考えてドローイングをしつつ、素材を選んでいるのか?
などについてRCAで修士論文を書いたのが、脱線のはじまりだったのです。。。
非線状の思考展開における共感覚的整合性の構築の可能性とかなんとか。
その結果、修士卒業後すぐに調子にのって博士後期課程に進学し、やがて博士号を取得しました。
ファッションデザインの制作プロセスにおけるオラリティとは何かを
制作物に見られるデザインの痕跡のトレーシングによって分析する、とかなんとかっていう
論文をかき、作品を発表したら貰えました。
ファッションデザインで博士号を持っているので、冗談じゃなくDr. Fashionなんです。
英語でかくと Doctor of Philosophy in Fashion Designなので、本当は芸術博士じゃないんじゃないか
と思うのですが、美大出身なので美術博士でいいんじゃないかと。
「私、Dr. Fashionです」と自己紹介をしても微妙な笑いしかとれない上、
こんな怪しい肩書きは役にたちません。
肩書きよりも、RCAはファッションデザインコースよりなにより、とにかくデザインプロダクト科が
非常に優秀で、それが故にたくさんの優れたプロダクトデザイナーやインタラクションデザイナーらが
世界中から来ていました。それ以外にもグラフィック・セラミック・ジュエリー・アニメーション・
建築・テキスタイル・ビークル・インダストリアルデザイナーらと、多様なデザインの在り方について
考える機会があったことが、なによりの財産となっています。
それが2001−2008年の話です。
そして今、なぜか京都でファッションデザインを中心としつつ多岐にわたって
デザインについて研究したり制作したり教育に携わったりしています。
活動の幅が多岐にわたるので、説明はまた追ってかいていくことができたら、、、
ですが一つだけ。
このブログを書かせていただくきっかけになったのは、蘆田裕史くんです。
彼と一緒に、新しくファッション批評誌FASHIONISTA(仮)を創刊することになりました。
詳細は:
http://fashionista-mag.blogspot.com/
twitter: @mag_fashionista
をみてみてください。
日本にもファッションについて議論する場を設計する必要があるのではないか?
その思いだけで、2人だけで立ち上げた批評誌です。
最後まで読んでくださったあなたにも、論文やエッセイの公募にぜひご協力頂けたらと思います。
140字で論文要旨をつぶやくという、学術的論文の応募方法としては異例の方法をとって
みました。
もし、何か書いて頂けることがあればぜひご協力頂けたらと思います。
一緒に日本のファッションの状況を、学術的に真剣に考えるきっかけをつくりましょう!
という感じで、今回はここらへんで。