こんにちは、水野です。
この度、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の環境情報学部にて
専任講師として今年度から着任することになりました。
今度ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。
そして、ファッションの批評誌『ファッショニスタ』ご購入下さった皆様
ありがとうございました。今後も一緒に状況を作っていきましょう。
さて、来週からいよいよSFCにて、「デザイン言語」講座の1つとして
ファッションデザインを扱う講座を開始します。
ファッションデザインの制作に携わったことのない学生でも
どのようにファッションを理解し、制作するための基本的な知識を
講義内では多角的に扱っていく予定です。
去年は早稲田にて繊維研究会の活動にちょこっと参加させてもらいましたが、
ここSFCでもファッション関係のことを考えたり実践したりしたい学生が
いる様子で、もうすぐ皆さんにあえるのが楽しみです。
SFCは本当に多様で、学生たちの能力もまちまちです。
ファッションから考えることも多様に広がる可能性があります。
もともと「デザイン言語」「デザイン言語2.0」を学生の時から
読んでいたこともあり(デザイン言語にはHAPTIC展の紹介の中で津村さんの作品についても
触れられてます)、そうなったら面白いなあーと思っていたことが現実になっている
という感じでとても興味深いです。
多様な社会的課題をはらむファッションデザインの豊かさを、
多様なまま、まず理解してみて、その上で身体、社会、歴史、制作プロセスなどの
切り口を各自が持ちかえってもらえたら面白くなるのではないかと
考えています。
そして、「そもそもダーツとは何?」みたいな技術的な話もして、実践してもらわないといけません。
3次元の空間を布で生成するための技法としてのパターンカッティングの基本的思考とは、意外と
建築にもつながっている点があります。
AAというロンドンの建築の学校において、こんな実験的作品制作もされています:
http://futuresplus.wordpress.com/2011/10/24/building-fashion-aa-fall-2011-paris/
建築とファッションを結びつけ、ここまでできる学生がいたら怖いです。。。
とはいえ、これを実際に縫うことができる人はおそらくほぼ、いないでしょうが。
とにかく私たちの生活にとてもなじみが深く、が故に多様な社会的課題をはらみ、
そしてコンピュテーショナルパターンカッティングも可能になっていきているが、
実際に「ぬう」「あむ」「はる」「とめる」という原初的制作プロセスを経るとどうなってしまうのか。
そしてそれを纏うことでどのようにその作品が自己にとって、あるいは他者との間で受容されるのか。
そんなことを考えています。
とりあえず、SFCでファッションを考えてみたらどうなるのか、楽しみです。