Fashion Show

Daniel Palillo

フィンランド人アーティスト&デザイナー、ダニエル・パリッロの2015年春夏コレクションは、ファッション業界のしきたりにあえて従わず、新しい絵画のエキシビジョンの中にある。そのテーマはいつものパリッロ的無関係なスピリットをフォーカスしており、”Paintings about the Fashion World (ファッションの世界についての絵画)”はファッションの世界を比喩するものとなっている。
 
ファッションに進む前に絵画を学んでいたパリッロは、今回のプロジェクトを自分のルーツへの回帰とクリエイティブなプロセスが自然に進んだものと捉えている。Client(クライアント)、 Fat Hipster(太ったヒップスター)やStreet Style(ストリートスタイル)などのタイトルのついた絵はパリッロの以前のコレクションからのなじみのあるキャラクター達を描いたもの。
彼のデザインであるパッチワークパターンは絵画のシュールレアリズム(超現実主義)やキッチュ美学であり、翻って新しいコレクションであるハイブリッド作品のベースとなっている。自分の作品を取り出し当てはめていくというプロセスを繰り返し、以前の作品では見られなかった抽象的なレベルに達している。
しかし、”Paintings about the Fashion World”の作品はファッションデザインに対するパリッロのアプローチに忠実であり、シーズンのトレンドに対応したというよりもむしろ物語風のクオリティを持った別個のプロジェクトである。
コレクションのハンドメイドの服は50着の限定版として制作される。中には180枚以上のファブリックを縫い合わせて作られているものも含まれる。オリジナルのサンプルとカスタム・メイドなマスクはインスピレーションを得た絵画とペアになっており、パリッロの素晴らしいアートとファッション慣行の見事な融和が見られると同時に、観る者にマスクと絵画の両方をもう一度見直させるメッセージを発している。
ファッションの世界に久しい前衛的芸術が、パリッロの作品の新しいボディとなって芸術とファッション、商業の境目をさらにあいまいなものにし、彼の言うところの「アートのトータル作品」をもたらす


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