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HIROSHI ASHIDA

蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida

1978年、京都生まれ。 京都大学大学院博士課程研究指導認定退学。
日本学術振興会特別研究員PD、京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターを経て、京都精華大学ファッションコース専任講師。
ファッションの批評誌『vanitas』編集委員、ファッションのギャラリー「gallery 110」運営メンバー、服と本の店「コトバトフク」運営メンバー。

e-mail: ashidahiroshi ★ gmail.com(★を@に)
twitter: @ihsorihadihsa

『vanitas』の情報は↓
http://fashionista-mag.blogspot.com/
http://www.facebook.com/mag.fashionista

美術館とファッション

ファッションを学問の対象とするためには歴史や理論を研究することはもちろんですが、アーカイヴと展示を行うことも重要です。ということは以前にも書きました。

日本では、衣服を収集している美術館はほとんどありません。神戸ファッション美術館文化学園服飾博物館杉野学園衣装博物館などのファッションに特化した美術館をのぞけば、島根県立石見美術館くらいでしょうか。

(美術館ではありませんが、京都服飾文化研究財団も衣服を収集し、日本では5年に1度のペースで展覧会を開催しています。)

以前、「ドリフのファッション研究室」のフセイン・チャラヤンの回で、東京都現代美術館の長谷川祐子さんが、衣服の収蔵は美術作品の収蔵とメソッドが違うから収蔵できないという発言をしていましたが、半分は正しくあるものの、半分は詭弁でしかありません。というのは、いわゆる現代美術の作品のなかには、これまでの保存・修復のメソッドが適用できないものも少なくないからです。

たとえばヤン・ファーブルの虫を使った作品など、(死んでいるとはいえ)生き物を素材に用いた作品は既存の方法では保存できませんし、してはいけないはずです(虫がわいたりしてしまいかねないので)。

日本の美術館でもこうした作品を収蔵していることを考えると、衣服の収蔵だけができないというのは、はっきり言ってやる気がないだけです。

実際、一般の美術館にも衣服の収蔵が可能であることを石見美術館は示してくれています。

新たにファッション美術館を作ることは難しいでしょうし、ファッションに興味を持つ学芸員や美術関係者が増えてくれることを願うしかありません。

もうすぐ夏休みということで海外旅行の計画を立てている人もいると思いますので、今日は海外で衣服を収蔵している美術館や、しばしばファッション展を開催する美術館をリストアップするつもりだったのですが、眠くなってしまったのでまた次回にします。

4 Responses to “美術館とファッション”

  1. Olga より:

    リストアップいいですね、楽しみにしてます。

  2. 蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida より:

    近日中にやります!

  3. 服部 円 / Madoka Hattori より:

    私も楽しみにしています〜!

  4. 蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida より:

    第1弾アップしました!