Blog

HIROSHI ASHIDA

蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida

1978年、京都生まれ。 京都大学大学院博士課程研究指導認定退学。
日本学術振興会特別研究員PD、京都服飾文化研究財団アソシエイト・キュレーターを経て、京都精華大学ファッションコース専任講師。
ファッションの批評誌『vanitas』編集委員、ファッションのギャラリー「gallery 110」運営メンバー、服と本の店「コトバトフク」運営メンバー。

e-mail: ashidahiroshi ★ gmail.com(★を@に)
twitter: @ihsorihadihsa

『vanitas』の情報は↓
http://fashionista-mag.blogspot.com/
http://www.facebook.com/mag.fashionista

commune

先日、滋賀県の彦根にあるcommuneというブランドのアトリエ兼ショップに行ってきました。というか、話には聞いていたので行ってみようかなと思っていた矢先、ぶらぶら歩いていたらたまたま行き着きました。

communeはシャツに特化したブランドで、サイズがあればそこで売っている既製のものも買えるのですが、採寸してもらってオーダーすることも可能。既製品は15000円ほどで、オーダーしても+8000円程度だそうです。

最近は、既存のファッションシステムに乗らないブランドや地方を拠点にするブランドも増えつつありますが(たとえばPOTTOなんかがそうです ね)、ここも そのひとつだと言えます。大きなビジネスを目指す人達は、やれ中国だ、やれアジアだと拡大することを考えるようですが、そういう進歩史観的な考え方(人類 は常に進歩しているし、進歩するべきだ、といったような考え方)はもうやめてもよいのではないでしょうか。

販売だけでなく生産に関してもそうですよね。今は人件費の安い中国で縫製をしてコストを抑えたりもできるけど、この先中国の人件費が日本並みになったらどうするか。

恐らくもっと安いところを探すんでしょう。でも、そこもまた日本並みになったら?

そんなことを繰り返していくうちに、恐らく各国の差が段々なくなっていくでしょう。そうすると、安い服なんて作ることができなくなります。

すぐにそうした未来が訪れるわけではありません。でも、明日のことや1年後のことと同じように、10年後、50年後のことを考えることも必要ではないでしょうか。

commune のデザイナーさんの話によると、地元のお客さんは割と少ないそうです。それは寂しいことではありますけど、逆に言えば可能性が秘められていると見ることも できるはずですよね。日本の地方の人たちがどうすればファッションに向き合ってくれるか、そこにひとつの未来が転がっているように思います。

2 Responses to “commune”

  1. Masaki Takida より:

    こういう情報いっぱい知りたいです。勉強になりました。

  2. 蘆田 裕史 / Hiroshi Ashida より:

    がんばりますー