ANREALAGEのインスタレーション。
大勢の観客に溢れ、あまりいい写真は撮れなかったので詳細はこちらを参照して欲しい。
http://changefashion.net/fashionshow/2010/04/06011926.html
真っ白な写真スタジオを使った展示会場に入ってすぐに目につくのが二列に整列したミヨーンと縦横に延ばされたマネキンたち。それを目の当たりにして、涼やかな驚きと共にすぐに分かった。あぁ、そうだ、これがANREALAGEの世界だと。
コンピューターの、モデリングソフトの世界の中に迷い込んでしまったような感覚。1と0の世界における感覚をアナログに体感出来る展示。
ANREALAGEの手法。頭の中。パターンという服づくりの技術自体を解体、縦横無尽に再構築する今のスタイル。
まるでものさし自体の厚みをまた別のものさしで計るような、そんなお茶目な思考回路。
ぼくはそれが大好きで、なんとなく笑いがこみ上げてきた。「やりましたね〜、森永さん(笑)」そんな気分だった。
ANREALAGEはそれだけではない。
恐ろしくバランス感覚が鋭いんだ。
プライス、形、生地、ボタンに至るまで計算して、コレクションがそのままリアルクローズとして作られている。
早い話し、これだけの表現をしていながら普通に着れる。
デザイナーにとってコンセプトや表現と言った言葉は魅力的。
しかし一方で「じゃあ実際に着れるのか?」というリアルクローズからの問いかけは常に耳元で囁いているもの。
ファッションならば誰もが悩むこの板挟みの状況に対していま一番力強い答えを出しているブランドの一つだと思う。
森永さん、伊藤さん、小暮さん、大櫛さん、スタッフの皆様方。
お疲れさまでした。
枯れた桜でも眺めながら酒でも飲みにいきましょー 笑