今更ですが、アンリアレイジの展示会に行って来ました。
http://changefashion.net/fashionshow/2011/04/16225047.html
今回は自分の展示とモロ被っていてランウェイには行けず。ランウェイの、現場の熱気を感じる事が出来なくて一人取り残された感を持ちつつ展示会へ。
「Low」
解像度の事でしたね。
遠くから見ると普通の服だけど、近づいてみると解像度が下がりディティールがドット絵のようになった服が浮かび上がる。
技術的にはレーザーカットと接着(高周波接着らしいっす)で作っていたように見えました。
レーザーで布を切ると言う事は、その布にはポリやナイロンが50%は含まれないとレーザーで切る意味がありません。
(ポリなどの繊維は熱で溶ける。レーザーで切る事で切断面を溶かして固めて始末しちゃうと言う事。逆に言えば綿100をレーザーで切ってもほつれてきちゃうからレーザーカットの意味がない)
また、高周波で圧着する場合も熱で溶ける素材でないと施行できないです。服に使えるとすれば、やはりポリorナイロンぐらい。
そして、高周波接着って乱暴に言っちゃえば振動の熱で生地と生地の接合面を溶かして接着しているわけだから、一部ならともかくあれだけ全面にしかも厚みがあるのをやるのはメチャクチャ荒技なはず。
素材がかなり限定されたうえなおかつ人が着れる形で作らなきゃいけないという制約の中で、よくあれだけ作れるものだなぁ、、。
服の解像度を下げるという最初の着想から実現できる技術をしぼり、そこから形を模索する。さらにランウェイ。展示会。本生産。それらを半年周期で。いやー、想像しただけで死ねますね。
アンリアレイジは特殊な翻訳機のようなブランドだと個人的に思ってます。
いまや世には色んな服がある(らしいですね。実はボクよく知らないんですよ)らしいじゃないですか。
そんな服って概念自体をアンリアレイジは遠くから見たり近づいてみたり延ばしてみたり縮めてみたり丸くしてみたり空気入れてみたり。
壊しながらも、それでも服の形を残しつつ。
ファッションという存在が苦手なぼくみたいな人間には、アンリアレイジみたいに特殊な翻訳をしてくれると飲みやすくてありがたいです。
アンリアレイジのコレクションを見た後は、少しだけファッションが分かった気になります。
(その後すぐ分からなくなっちゃうんですが)
次は何をしてくれるんでしょうね?
楽しみです。
ちなみに、パーカーフェチのぼくは買いそびれていた「○△口」のときの△パーカーの黒を今回買いました。
あぁパーカーがどんどん増えて行く。。