今季のテーマは”following the line”。
今回のコレクションはドローイングから始まった。ドローイングとは線であり、それらを繋げていく表現である。スケッチブックに描かれた線は、一つのイメージへと収斂されていくものもあれば、分岐し、別のイメージを形作っていくものもある。ドローイングが生み出したまとまりのないスケッチは、彼らの記憶や印象の断片を捉えたもので、線という輪郭を与えることによって解釈し直したものだった。ドローイング。すなわち、線をネットワークとして辿っていくこと。それは彼らの中にある無数のエピソードの束から一つの線を選び出す作業でもあった。意識的であれ、無意識的であれ、選択され描き出されたスケッチは、馴染み深いものもあれば、唐突で、ある種の驚きをもたらしてくれるものもあった。
今回のdivkaのコレクションは、彼らが抱く自身のイメージとは隔たったスケッチと向き合うことを一つのテーマとしている。divkaは馴染み深い服作りの方法に頼るのではなく、唐突なイメージの訪れに開かれ、それを信頼することを試みた。一本の線を引いてみること。それを辿ってみること。そして、そこにある別の線とつなぎ合わせようとすること。もし仮に、今回のコレクションにおいてdivkaの新しい側面が表現されているのなら、それは、そのような作業なしには起こり得なかったことなのである。
divkaは誰も知らない服を、私達自身も知らない服を作り出そうと試みている。